2012年7月28日土曜日

地球温暖化メカニズム考察(2)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(2)-地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問


 現代科学のすばらしさといくつかの弱点を前回述べた。気象気候変動は、現代科学が理解しづらいもの、不得手とするもの、実証しづらいもの、これらの全てを含んでいる。

 現代科学は、対象が安定しているもの、平衡しているものを研究することによって大きく進展した。しかし、天候は、日々、そして時々刻々変わる。こうした日々、我々が実感している天気の変動は気象変動と呼ばれる。地球の気温を1年にわたって平均する、そして更に世界で平均をとる。その平均値で長期にわたる天候の変動を検討する。これが気候変動と呼ばれていている。

 熱は高い方から低い方へ流れる。風は気圧の高い方から低い方へ流れる。熱も大気圧も均一(平衡)になるまで流れようとするが、現実の天候をみていると、均一にはならない。均一になる前にもともとの条件が変わってしまう。温度が平衡(均一)になる前に、夜が訪れいままで高温であったところが低温になる。熱の流れ、風の流れが変わる。つまりいつも不安定である。

 日々の気象は不安定であるが、長期の気候をみるとほぼ安定している、長期的な気候は平衡論をベースに展開できるというのが主流のように思われる。しかし、長期の気候が平衡論で展開できるというのは確かだろうか。気候変動は、平衡論に固執することなく、非平衡論をも含めて考察する必要があるのではないか、もっと不安定な系の研究を促進すべきではないかと考える。

 現代科学は局所的な問題を深く追及して大きな成果を上げた。気象・気候変動問題は、このようなアプローチではなかなかうまくいかないと推察される。
 地球史の世界は、従来、生物史、大陸移動史、気候史などなど様々な分野にわかれていた。しかし、いろんな事象が複雑に関係しあっているというがわかり、総合的にトータルシステムとして考察すべきではないかということになり、研究方法に大きなパラダイム(大系枠組、理論枠組)シフトが起きていると聞く。気象・気候変動問題もこのように大きなトータルシステムで考える必要があるのではないか。     

 気候変動論は太古の昔の気候変動をも、ある程度説明できるものでなければいけないと考える。太古の昔、細胞レベルの生物しかいなかった時代には、地球は全球凍結したり、超温暖化したりしている。

 生物が出現してからは、全休凍結も超温暖化もなくなった。これは生物の存在が気候に大きく関係していると言えるのではないか。生物出現後、全休凍結、超温暖化はなくなったが、温暖期と氷河期を繰り返している。何故そうなのか、このあたりの追及も必要ではないのか。

 科学の世界では新説がでると、先ず「嘘や」と疑われる。確認実験が行われ、真偽が確かめられ、新説が肉付けされる。懐疑的な見解に対しても疑問が解かれていき、新説が充実し確立していく。地球温暖化にも懐疑論がある。温暖化懐疑論者の大きな疑問は、以下の2点である。

  1. 地球温暖化の原因といわれているCO2よりH2Oの方が、温暖化効果が大きい。地球大気中にはH2O蒸気のほうが、CO2ガスよりはるかに多い。なぜCO2が温暖化の原因と言えるのか。
  2. 恐竜が闊歩していた時代は、地球は今より高温で、CO2濃度も多かった。その時より温度が低く、CO2濃度も低いのに何故現在の状態が問題なのだ。
 現在、地球温暖化を訴える研究者は、これらの疑問にきちんと答えることができていないのではないか。懐疑論者は危険と目されている地球温暖化に疑問をつきつけ、そして嘘やと言っている。嘘やと言って更なる科学的な追及を怠っているようにみえる。地球温暖化は将来の安全保証に関わる大問題なので、懐疑論者は、もし自分が間違っていれば、相応のペナルティを払う覚悟が要るのではないか。それほどの覚悟と責任を感じて温暖化問題を協力して解明していくべきではないだろうか。

 理科系の人は、是非、温暖化問題を逃げずに、自分なりに調査するなり、考えたりして頂きたいと思う。

(つづく)

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