2014年2月5日水曜日

能力開発(1)  はじめに


能力開発(1) はじめに


 会社時代、能力や能力開発について考えたことがなかった。定年退職してから6年、人の能力と能力開発についていろいろ考え始めた。
 定年退職時、学生時代に理解できなかったこと、会社時代に感じた疑問などが、頭のなかで、くすぶっていた。急にできた時間を使って、それなりに勉強した。勉強が楽しいと初めて感じた。大学生の時より勉強をした。数十年間、頭の中で消えなかった疑問がいくつも消え、すっとした。なんで昔、勉強しなかったのかと悔やまれたが、今さら悔やんでもしかたがない。平均寿命まで生きるとしたら、未だ、先は長いと思い直し、いままで全く勉強したこともない分野もいろいろ調べた。本棚にはたった2年で三十数年の会社時代に買った本より多くの本が並んだ。勉強の成果が実感でき、楽しかった。

 しかし、途中からいろいろやっている割には成長が感じられなくなった。運動でいえば、最初どんどん上手になっていたのに、途中で進歩しなくなったという感じである。  運動選手をみていると、野球選手にしても、サッカー選手にしても、野球やサッカーの練習以外に心肺機能の強化や筋肉トレーニングなどを行っている。最近では体幹を鍛える運動が流行っている。運動選手の基礎体力を鍛えるトレーニング手法は、日進月歩で進化しているように見える。

 自分に成長が感じられなくなったのは、頭脳の基礎能力が不十分だったり、衰えてきたりしているのではないだろうか、頭脳の基礎能力にも目を向けて、それを鍛える必要があるのではないかと思い始めた。 頭脳における基礎能力の開発は、最近あまり注目されていないように感じる。少なくとも運動の基礎能力ほどは、検討されていない。頭脳の基礎能力としては、記憶力や理解力、計算力などがあげられる。

 これらの頭脳の基礎能力とその開発についていろいろ考えてきたので、これからそれらを書いていきたい。私は別にこれらの基礎能力開発に長けているわけではないので、これを読んでおられる方は、私のこれから書くことをヒントにして、自分なりに考えられることをお勧めする。
 頭脳の基礎能力開発は、幼少期、青年期、壮年期、老齢期と全ての年令において有効であり、絶大の効果があると思う。というのは頭脳の基礎能力はどんな分野で働いていても共通な基本能力であり人間が生きていくのに重要な能力であるからである。

 小学校からずっと勉強している、更に社会人になってから仕事の本以外にもノウハウ本をたくさん読んできたと云われるだろうが、勉強やノウハウ本に書かれているものと頭脳の基礎能力開発は似ているようで少し違う。勉強してきたことやノウハウ本に書かれていることは、自分が置かれている環境や立場、仕事が変わると役に立たくなることもあるが、開発した頭脳の基礎能力は生涯ずっと有効である。
(つづく)