2011年4月24日日曜日

原発の全廃、再生可能エネルギー全面移行を


 先日、英語の勉強にと思って、テレビでCNNのニュースを見ていたら、日本の電力に関する話に移った。円グラフがでた。2020年の日本における再生可能エネルギーは3%。 それに対して、ドイツの2020年の再生可能エネルギーは、40%以上 と言っていた。 キャスターは、やおら古い電卓を手にした。シャープという言葉が聞き取れた。これはシャープの太陽電池付き電卓である。古くから技術を持っているのに、何故、再生可能エネルギーは、少ないのか。ドイツのように再生可能エネルギーに移行すれば、原発はいらないのでないか。英語そのものは聞き取れなくても確かにそう言っている。5分足らずで違う話題に移っていった。
 日本の電力に占める再生可能エネルギーは2009年1.1%、ドイツのそれは2009年16.1%。
 日本の電力に占める原発は、2009年29.2%、2019年41.0%予定。
 
 日本の電力における再生可能エネルギーは、現状ほぼ1%で、10年経っても3%。これでは誰がみても、日本政府は再生可能エネルギーなんか ”さらさら” やる気はない様に見える。口ではいろいろ言っても、数値がその気がないことを明確に物語っている。CO2排出削減が世界的に謳われると、再生可能エネルギーには見向きもせず、ここぞとばかりに原発の増設を計画したようにみえる。 現状、54基に対して、計画では2030年までに14基増設される。これでは外国メディアに指摘されるまでもなく、おかしい。なにかあると疑いたくなる。

 以下は、私の邪推である。
 政治家と企業と官僚が、癒着している。おいしい天下りがたくさんある。政治家も甘い蜜をたっぷりと吸っているに違いない。どんなからくりになっているのだろうか。
 発電コストを調べてみると原発でつくる電気が、一番安い。多分、原発を廃炉にする費用や使用済み核燃料の処理費用、開発費用などは含まれていないだろう。更に、今回のような福島原発事故の処理費用は入っていない。
 最初、電気料金が設定されたときは、原発は未だ存在しておらず、火力や水力の発電費用で計算されているはずである。そこに安い原発が入ってきた。どうなるか。市場の自由競争になっていない電力会社は電気料金を下げない。多大の利益がでる。政府は黙認する。
 どれだけの利益アップとなるか簡単に計算してみよう。火力や水力などの発電コストと原発の発電コストの差は~5円/kwh。日本に原発は54基、1基あたりの発電能力は0.9GW=900,000kw。原発の稼働率を70%とする。
 年間の利益アップは、
 5円/kwh x 54基 x 0.9GW/基 x 24h/日 x 365日/年 x 70%=1.5兆円/年
となる。
 原発が40年間続けば、60兆円。電力会社はおいしいし、官僚も政治家も黙って指をくわえていない。本来なら日本全体の了承がいるはずの原発の新設を、市町村とだけ交渉し、多額な交付金を餌に、了解を得る。了解を得たら、最後、ここぞとばかりにできるだけたくさんの原子炉を詰め込む。福島では第1、第2を合わせて10基、柏崎刈羽では7基、安全性は、どこかにすっ飛んでいる。安くできれば、できるほど利権は膨らむ。
これが、私の邪推です。

 邪推はさておき、安全性に関しては、地震や津波以外にテロをも考慮すべきである。相応の出費が必要であるのに「安全神話」が歳出を抑制した。使用済み核燃料に関しては・・・、これは厄介である。破棄と再利用という二つの選択肢がある。再利用は、使用済み核燃料を再処理して、もう一度だけ使用する方式と「核燃料サイクル」として、何度でも使う方式がある。破棄する場合は、使用済み核燃料を水冷する中間処理と、そのあと空冷し、地球深く埋め込み、コンクリートで固めるなど最終処理をする必要がある。
 日本は再利用をメインストリートとしている。しかしながら、一度だけ再処理して使うための再処理工場は、遅れに遅れて2年後完成予定で、現在はフランスに再処理を委託している。何度でも使う方式は、現在の核兵器に使われるプルトニウムが主体であり、冷却に金属ナトリウムを使うなど、危険きわまりない。そのため、ほとんどの国が開発を中止している。
 福島原発の事故処理で先行きが見えないなか、その実験炉である「もんじゅ」の再開をどさくさに紛れて、福井県知事が了承し、実質的に再開が決まった。この技術は順調にできたとしても実用化は2050年である。危険きわまりないといわれる技術の実験炉が、国民の目に隠れるかのように、こっそりとスタートOKになった。又、心配の種が一つ増えた。
 使用済み核燃料の再利用をあてにしていることから、破棄はおざなりになっている。使用済み核燃料を冷却するプールが満杯に近づいている。ましてや、最終処理は目処すらたっていない。
 破棄も再処理も先が見えていないのに、単に、日本の技術はすばらしい、日本の技術はどこよりも勝っているという単なる「技術神話」だけがある。きちんとはじきだせば、原発のコストは、非常に高くなると予想される。
 「安全神話」と「技術神話」が一人歩きし、原発の発電コストが、「安く」「安く」なっている。政府は、これら「神話」の最も熱心な信奉者で、CO2排出削減を格好の理由とし、国民の生命を賭けて、原発を推し進めてきた。

 今回の福島第一原発の事故を受けて、ドイツやイタリアはいち早く、建築中の原発をキャンセルした。ドイツは更に1980年以前に建築した原発7基を3ヶ月稼働停止にし、安全点検に入った。中国は重慶市と湖南省の原発建設プロジェクトを凍結した。インドやタイは原発建設計画の見直しにはいった。しかるに日本は原発政策の継続を表明した。そして、CO2排出削減の目標達成が無理だと表明した。まちがいなく国際社会にとって日本は不可解にうつっている。世界の空気が読めていない。CO2排出削減は、国際会議での駆け引きで一見、消極的にみえる米国や中国でさえ、温暖化に対し、強い危機感を持って取り組んでいる。再生可能エネルギーに多くの力を注ぎ、更にCO2排出を減らすために原発を推進しようとしている。そのようなかで、早々とCO2排出削減の目標達成は無理だと表明することは、世界の流れを理解していないことを自ら証明したようなものである。来るべき社会は、再生可能エネルギーを主体とした低炭素社会である。各国政府も各国国民もそれを見据えている。日本はそうではない、温暖化問題を軽視しているように見える。このままでは次世代社会に大きく乗り遅れる。

 いずれにしても、時代が変化するとき、その時、利権を持っている組織や人々が最大の抵抗勢力になる。世界が再生可能エネルギーへ向けて、大きく舵をとっているとき、日本では電力会社と政府や政治家が大きな抵抗勢力になっている可能性が高い。

 再生可能エネルギーは、まだコストが高いとか、不安定な電力をコントロールするスマート・グリッド技術が未熟であるなどの問題も残っているが、数々のメリットを有する。
  1. 地球温暖化の元凶である二酸化炭素を排出しない。
  2. 化石燃料が排出するSOX(酸化硫黄物)やNOX(酸化窒素物)のような汚染物質をださない。
    各国ともエネルギーの自給率をあげることができる。
  3. 古今東西、エネルギーを巡って国際紛争が絶えないことから、自給率向上は、国際紛争の低減に寄与する。
  4. 雇用を促進する。
    風力、太陽光、太陽熱、地熱、潮力、波力等々バラエティに富んでいる上、小型分散型であり、スマート・グリッドも様々な手法があるなど、雇用は多い。
  5. 小型、分散であることから、自然災害に強い。
    個々の装置単位でみると、災害に弱くても、災害が起きたとき、多くの装置が無傷で生き残る可能性が高く、全体でみると災害に強いと言える。
  6. テロや人災に強い。
    小型・分散システムは誰も襲おうとは思わない。ミスや故意で人災があったとしても、小型・分散システムでは被害が軽微である。
  7. 地方の活性化につながる。
     

 きたるべき社会は、間違いなく、再生可能エネルギーを主体とした低炭素社会である。日本が、そのような社会を目指すことを表明し、努力すれば、国際社会も日本の復興を今後とも支援し続けるであろう。そして、原発が無い世界を実現し、広い土地がありながら、わざわざ地震地帯に原発を建てている中国や、日本と同じような地震多発地帯であるフィリピンに原発がなくてもやっていけることを示すべきだと考える。

 もし、日本が原発推進を今後も継続すれば、国際社会からは不信感をもたれ、近隣諸国からは白い目でみられるだろう。万が一にでも、再度、原発事故を起こせば、日本は国際社会から見下されるだろう。そして、今は、米軍が援助以外にも警備の役割を意識的に担っていると言われているが、そのような援助もなくなり、抜け目のない近隣諸国から蹂躙されるだろう。

 身近な人も含めて、多くの人が、原発を捨てて、再生可能エネルギーへ移行すべきだと言い始めている。しかし、抵抗勢力は、上述したように、かなり強力である。かなりの決意を持って、抵抗勢力を押さえ、原発を全廃し、再生可能エネルギーに移行すべきと考える。

(参考)
ドイツの再生可能エネルギー情報 (2000年~2009年)
http://en.wikipedia.org/wiki/Renewable_energy_in_Germany

日本の2010年エネルギー白書
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010energyhtml/2-1-3.html

2011年4月14日木曜日

日本に原発はあってはならない


 日本に原発はあってはならない。そう確信している人、よくはわからないが、原発に不安を感じ、原発はないほうがよいと思う人、原発はないにこしたことはないが、エネルギーや経済を考えればしかたないという人、いずれにしても個人個人に密接にかかわるエネルギーや安全に関する大問題である。そして、今後どうするか、一人一人に投げかけられる問題であり、いずれそう遠くないときに、日本全体として答えを出さなければならない問題である。
 
日本における原発を考えてみる。

  1.地震大国でありながら原発大国であり、計り知れないリスクを抱えている。

 日本は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートと4つものプレートに隣接もしくその上にあり、地震の巣の上と言われるほど地震が多発する地震大国である。 そして、狭い国土に多くの人々がひしめきあって暮らしている。(国土面積61位、人口9位、人口密度5位) このように人口密度の高い狭い国に54基もの原子力発電がある。(原発保有基数3位)
 近年、世界的に大地震が頻発しており、日本でも確かに増えていると感じさせられるものがある。 人々の記憶に残っているであろうと推察される最近の地震をあげてみる。 1993年奥尻島地震M7.8、1995年阪神淡路大震災M7.3、2000年鳥取県西部地震M7.3、 2004年新潟県中越地震M6.8、2007年新潟県中越沖地震M6.8、今回の2011年東日本大震災M9、続いて起きた長野県北部地震M6.7。
 地震学者は口を揃えて、東海地震、南海地震、東南海地震が、そう遠くない将来に必ず起きると予測している。 大地動乱の時代と呼ぶ地震学者もいる。 4月8日の日経新聞は、「東海、東南海、南海の3つのプレート型地震が連動して起きると、宮崎県沖の日向灘でも地震が同時発生して巨大地震となる恐れがあることが7日、文部科学省の研究プロジェクトの成果でわかった。想定4地震の断層は長さ700キロに達し、マグニチュード(M)9クラスの巨大地震になる可能性もある」と報じた。

 日本の原発は、ほとんどが老朽化している上に、一カ所に原子炉が集中している。若狭湾では14基、福島は第一と第二を合わせると10基、柏崎刈羽原発は7基である。福山第一は6基で、集中していることの危険性は、大震災後のTV報道をみれば、一目瞭然である。 更に、原子炉建屋の最上階で、使用済み核燃料が水冷されている。使用済み核燃料を原子炉のすぐそばに置くことの危険性も、連日の報道から誰の目にもあきらかである。

 いずれにしても、最も危険な場所(世界トップクラスの地震多発地帯)に最も危険なもの(原子力)が、最も危険な方法(原子炉の集中と原子炉建屋内での使用済み核燃料の保管)で設置・配置されている。

2.見通しのくらい使用済み核燃料の処理

 原発は、核燃料の核分裂でエネルギーを得て、発電を行っている。 核燃料ウランは分裂して、大きなエネルギーと放射線をだしながら、元とは違う物質(セシウムやヨウ素など)になる。 このときのエネルギーが大きいので、効率の良い発電として使われる。
 核分裂を終えた核燃料が使用済み核燃料である。これがやっかいである。今度は分裂ではなくて、放射線を出して違う物質になりながら、崩壊する。崩壊エネルギーは高くないので利用されることはない。とはいえ、崩壊は、核分裂生成物によっては数万年にもおよぶ非常に長い期間にわたり、放射能と崩壊熱を出し続ける。意図しないのに再度、臨界点を超えて核分裂を開始する可能性があるので、冷やし続ける必要がある。現実的には、長期にわたる水冷で、ある程度冷やす。その後は空冷で冷やす。そして温度が充分下がったことを確認して、ガラス化するなど固化して、地下深く埋め込む。このようにして廃棄するには約10年はかかると言われている。

 別途、方策として、使用済み核燃料を再処理して、再度使える様にする方法がある。繰り返して、使用することができれば、核燃料の問題は、大きく改善される。フランスは、使用済み核燃料をもう一度生き返らせる再処理技術を持っている。この技術でできた核燃料がいわゆるMOX燃料である。このMOX燃料は既存の原子炉で使うことができる。日本は、この再処理をフランスに依頼し、MOXを作ってもらい、輸入して浜岡原発や福島第一原発の一部で使っている。 

 使用済み核燃料を何度でも繰り返し使う技術は、どの国も実用化できていない。 日本はこの技術がいずれできることをあてにして、使用済み核燃料を原子炉のそばで水につけて保管している。廃棄する方策はとっておらず、当然その技術は進展していない。使用済み核燃料の保管スペースに余裕がなくなって、密度をあげて保管されているので、危険度は増している。(昨日、4月13日発生、福島第1原発4号機の異常原因) 

 日本の再処理技術は、未熟で再処理工場建設計画は、ほぼ20回にわたる延期を繰り返し、建設予算の見積もりもどんどんあがり、今では2兆円以上になっているとのことである。今の計画では2年後にできることになっている。
 何度でも繰り返して使う技術も検討されている(もんじゅと名付けられた原子炉で実証実験の予定)が、これも遅れに遅れて、こちらは見込みすらたっていない。   使用済み核燃料を廃棄する方策は、全くと言っていいほど進めておらず、本命とされる核燃料を繰り返し使う技術は遅々として進んでいない。 一方で使用済み核燃料はどんどん増えていっている。
 外国はどうか。日本ほどひどくはないが、悩みは共通しており、外国に頼ることもできない。(わずかにMOX燃料は、フランスに頼っている) 使用済み核燃料の最終廃棄場所は米国もロシアも用意できていない。

 日本における使用済み核燃料は、逃げ道(廃棄)もなく、前方(繰り返し使う技術)も塞がっており、追っ手(使用済み核燃料の増加)がどんどんせまっている、という状況である。逃げ道に対しても、前方に対しても、日本には技術がある、日本の技術はすばらしいという、現実とはかけはなれた「技術神話」がまかり通っており、お寒い現実を覆い隠している。

3.日本には危機意識が欠乏しており、ましてや危機管理意識はない。日頃からほとんど考えていないので、重大事故発生時の対策は付け焼け刃で、後手かつ不十分

 日本は、明らかに、今でも平和ぼけ、高度成長ぼけから抜け出せていない。 このところ近隣諸国から頬っぺたに平手を食らわされて、わずかに変わってはきているが・・・。
 いくつもの危機が、日本を、そして、世界を襲っているが、日本はあまりにも無頓着である。 見て見ぬふりなのか、いや、ぼけ過ぎて見えていないような気がする。
 いくつもの安全保証を考えなければならないのに、ほとんど考えられていない。危機を感じていないから、考えられないのだ。ましてや、危機が起きたときの管理を、考えているはずはない。テロや核攻撃に対する処理を本気で考えている国とは雲泥の差である。
 今回の原発事故に対しても、事の重大性に気がついていないような気がする。日頃全く考えていないので、当然のことながら、対策は付け焼け刃である。命をかけた仕事を、そのように訓練されていない一般のサラリーマンの使命感にのみ頼るような状態になってしまった。 緊急にいろんな分野から手厚いサポートが、要るであろうに、後手、後手に回り、個々の対策が不十分である。まさに試行錯誤の連続、モグラたたきの感は否めない。1ヶ月たっても、深刻さが増すだけで、解決の目処すらたっていない。

 今回の事故の被害は、既に甚大である。 今後の健康被害、経済被害は、計り知れない。 日本国民のみでなく、世界に与えた精神的ストレスは如何ばかりか。時間とともに日本たたきが増大するのは目に見えている。

 日本の原発推進者は、国民の生命と安全を楯にして、技術的な綱渡りをしている。賭をしている。彼らに「何か隠しているのではないか、情報公開を」と迫っても埒があくはずもない。
 政治主導と謳って、自らの無能力をさらけ出した政治家が、原発事故の処理を主導している。近隣諸国からあなどられ、管理能力不足が世界の公然(?!!)となった日本の政治が、最大級の国難処理にあたっている。おおいなる国難、世界の不幸と言わざるを得ない。

 原発の技術は、急進展しない。安全管理意識も安全管理手法も急展開しない。今の日本には、原発を保持する能力はない。地震大国、小面積国、多人口という日本の特殊事情を合わせて考えると日本は原発を持ってはならない。

 世界を震撼させる放射線障害や日本の原発事情は、知れば知るほど、「経済を考えるとしかたない」から「不安を感じる」へ、更に、「日本に原発はあってはならない」に必然的に変わる。

 本で、これ以上原発を増やすことは、国民世論が許さないであろう。しかし、それだけでは危険な既存の原発が残り続ける。少々安全対策が強化されたとしても、危険性はほとんど変わらない。
 今後、積極的に、原発の全廃を求めていく必要がある。

 原発はなくとも、前回コメント頂いたように再生可能エネルギーがある。

2011年4月6日水曜日

他の原発も危ない

知人から1997年に原発の危険性を警告した石橋克彦神戸大学名誉教授の情報が送られてきた。 1997年にタイムマシーンにのって2011年に起きた事故をみて書いたのかと錯覚するほどそっくりなので、驚かされる。 地震、津波、原子力発電が停止したとしても、電力系の故障による水冷の停止、水素爆発と続く。 さらに・・・・。 書かれた当時は、誰も想像していないことなので、当然とはいえ、何故そう予想されるのかと専門家らしく分析している。 大きく異なるのは、震源が宮城沖でなく、東海沖であること。心配の主な対象が浜岡原発であること。
 
地震学者は、口をそろえて、いつとはいえないが、必ず東海沖、東南海沖、南海沖で大きな地震が起きるといっている。 ということは、次は浜岡原発が危ないということになる。 石橋氏によれば、日本海側も大きな地震が起きる可能性が高いと言う。 柏崎刈羽には7基の原発がある。 若狭湾は原発銀座と言われ、14基の原発がある。
原発の多くは、老朽化していると聞く。 そして、原子炉が集中しているとも聞く。 そうであれば、その他の原発も危険である。
 
そもそも原発が最初に作られていたときから、大きな原発事故は、必ず起きるといわれていた。 複数の事故原因が重なるとしたら、それを組み合わせた数は、膨大となる。 複数の事故原因が連続して発生することを想定し、対策を考えておくことは、不可能と指摘されていた。 そして、そのうちの一つ一つに大きなお金がかかるとしたら、必然的に対策範囲が狭くなる。 対策しきれないという指摘は、今回の原発事故に的中した。 今後、対策を増やしたとしても対策しきれるものではない。 当時と違って現在では、テロの心配もある。

使用済みの核燃料の保管場所も残りスペースがなくなってきているという。 その保管場所も一時的なもの(長期間にわたって冷やす)で、別途、最終的な保管場所(閉じ込める)を確保する必要があるが、目処がたっていないとのことである。 当初は、海底を考えていたようであるが、現在、海底保管は国際法で禁じられてしまったとのこと。

原発の建設にあたり、ここには活断層はありません、一万年前にさかのぼっても地震は発生しておりませんと言って、地元を口説いてきたという。
活断層は次から次へと見つかっており、活断層が無くても直下型の大地震が起きる。 又、地震がおきた箇所の地震調査にも抜けがあることが明確になってきている。 調べ尽くしたかどうかにわからないのに、1万年にわたって地震がおきてないと主張するほうがおかしい。 誰が保証したのか。 一万年おきていないことも保証になるのか。 今回の大地震は、この一万年で最も大きいかもしれない。 

石橋克彦氏によれば、
「日本のような地震の巣となっているところでの原発は、大きな賭である」
といっている。 国民を担保にした賭で、今回、大きく負けてしまった。未だ、どれだけ負けたか決着がついていない。 負け度合いが益々広がる可能性もある。

更に石橋氏は、
「地震の巣上での原発は、近隣諸国にとっても迷惑千万だ」
と続けている。  汚染の広がりが大きければ、世界中に迷惑をかける。

今回の福島第1原発の事故を受けて、国際的な安全規格を作る話が、浮かびあがっている。
先ずは、原子炉は一カ所に集中させない、使用後の核燃料を原子炉の側に置かないことが検討されているとのことである。 新国際規格ができれば、日本のほとんどの、いや全部の原子炉は規格を満たさないことになる。

核燃料を繰り返し使う技術も検討もされているが、これは遅れに遅れており、できるとは考えにくい。(もんじゅのこと)

電力会社は、今回大きな事故がおきたにもかかわらず、今後とも作り続けることを表明する可能性がある。 これは国民が許さないと予想されるが、強く反対しないと、また、だまされることになる。 今回の政府や東京電力の対応をみていると、全くこころもとない。

現在、稼働中の原発は、今回の事故を踏まえ、ある程度対の策はとられるだろうが、保証できるものではない。 

今後、新規原発は許してはならないし、現存の原発もできるだけ、早く閉じさせる必要がある。 そうしないと安心して暮らしていけない。

世界的に、不気味にも、大きな地震が続いている。 次はどこかの原子炉を直下型の大地震が襲うかもしれない。

昔と違って今は、再生可能エネルギーという手もある。 ここは腹をくくって、全ての原発を捨てて、再生可能エネルギーに移行していく必要があると考える。  膨大な事業になるが、政府も国民も一致団結して本気で取り組めば、必ずや十数年でできると推察する。

以下、ネット上でみられる情報です。

石橋克彦 神戸大学名誉教授の1997年の資料は、ご自身が発信しておられる以下のURLからみることができます。 知人からはこのURLが送られてきました。
http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/2011touhoku.html

御前崎市在住の大橋氏による「浜岡原発は本当に大丈夫なのか」
  注:浜岡原発は御前崎市にある
http://hamaoka2009.ciao.jp/
浜岡原発は海外から世界一危険と指摘されているとのこと

京都民報Web : 「若狭湾原子力発電所 ただちに総点検を」
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2011/04/04/26_14.php
あらためて地図を見させられると京都、大阪、奈良、神戸どこも若狭から近いなあと感ずる

「柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会」
http://kkheisa.blog117.fc2.com/
第二、第三の「福島原発震災」が再現する可能性・・
とくに、2007年の新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発、・・・・

「3/17 福島原発の現状と、今後予想される危険~後藤政志さん」youtube
http://www.youtube.com/watch?v=etcASxPNzeU&feature=related
これをみると福山第一原発は、予断を許さない深刻な事態がまだまだ続く。
まさに薄氷を踏む思い。