健康(8)– 喘息
肝臓を悪くして食事に気をつけるようにしていたが、γ-GTPもGPTも正常値に戻ると食事に気をつけなくなった。鼻に常時おできができるほど、体調が悪くなった。でも、結婚すると、体質が改善されたかのように体調はよくなった。
「今日も元気だ、煙草がうまい」そんなCMどおりの気分で煙草を吸っていた。そして、煙草の本数は徐々に増えていった。会社の上司から、「のべつ幕無く煙草を吸う輩がいる」とみんなの前で暗に私を指して叱られてしまうほど煙草を吸うようになっていた。
43~4才のころ小学生の息子が友達を連れてきてお父さんマラソンをしようという。いいよ、と言って走り始めたが、直ぐに苦しくなってしまい、すぐに子供達は遠くに行ってしまった。少ししか走っていないのに、呼吸困難になり、家に帰り寝込んでしまった。でもこの時は特に何かの症状がでるというわけではなかった
だんだん咳をするようになった。更に咳こみがすすみ、時々、咳が止まらなくなった。喘息に違いない。発作が頻発するようなり、団地内の病院に通ったが、少しもよくならない。女房が喘息に詳しい先生がいる病院を聞き出してくれた。そこに行くと応急措置とアレルギーの検査が行われた。のちのち看護婦さんからあの時の私の症状はひどかったと何度も言われた。
一週間後にでた検査結果では、杉と稲科の花粉アレルギー反応が突出しており、アレルギー起因の喘息だと診断された。
この病院でくれた喘息発作時のスプレーはよく効いた。喘息の薬はよく効くようになっているが、心拍数が異常にあがるなど心臓によくないと誰かが言っていたが、この時渡されたスプレーは2回強く吸うだけで、心臓への負担は全く感じられなく、嘘のように喘息が治まった。
煙草は吸い続けた。咳き込みそうになるとシュッシュッとスプレーを二吹き。何事もなかったように、すっと治まる。又、煙草を吸う。
こういった日々をしばらく繰り返していたが、スプレーが効かなくなってきた。病院にいくと今度はお尻に注射を打ってくれた。これがまたよく効いた。病院を出ると一服。
でも注射も効かなくなった。看護婦さんにもう一本とおねだり。二本売ってもらうと効いた。病院を出ると一服。ある日、看護婦さんに二本目売ってもらおうとすると看護婦さんの目がつりあがった。強いお薬なのでこれ以上打てません。
発作時のスプレー以外に根本治療薬を病院から渡されていたが、効く気配がない。 喘息発作時のスプレーも注射ももう効かない。何とかしなければと思って、ぜいぜい言いながら散歩をはじめた。自宅から10分も歩けば標高300mの山の麓にたどり着く。土曜日と日曜日はその山に登るようになった。
喘息を治そうと無理をして歩く。肺が弱っているだけではなかった。足腰もかなり弱っていることがわかった。散歩の途中で煙草は吸わないことにした。でも自宅に帰ってから吸っていた。
喘息を治すぞと、がむしゃらに歩いた。4時間5時間も歩くようになった。そのときわかったことが足腰は長時間歩くと疲れるが肺は調子がよくなる。とはいっても「ぜいぜい」はとれない。
女房が買ってきた早起きの効果の本を読んだ。早起きで仕事や勉強が効率的になると言う本だったが、早朝散歩も勧めていた。土日の散歩のみでは足りないと感じていたので、早く起きて歩くことにした。
朝の散歩も土日の山歩きも気持ちがよい。とにかく歩いた。足腰が強くなり、肺も少しよくなった。そして、スプレーも効く。それでも肺の調子は一進一退で特に季節の変わり目に喘息がでた。いつ喘息でてもいいようにスプレーは肌身離さず持っていた。
このような状態が5~6年続いた。会社の診療所から電話があって、来てくれと言う。