健康(9)– 肺に腫瘍・検査入院
ある日会社の診療所から電話がかかってきた。肺で引っかかったのではないかと予想しながら診療所にいく。診療所の先生から手のひら大の写真を見せられた。案の定、肺の写真で素人目にも腫瘍が写っている。小さい写真なのに腫瘍はやけに大きい。頭の中で写真を実物大まで拡大してみる。握り拳ほどの大きさになる。頭がガクンと落ちた。先生が肩を叩いてまだ決まったわけではないと言う。いくつかの病院を示してどこにするかと言われる。大きな病院を選んだ。紹介状をもらって診療室をでた自分を今でも覚えている。
いろんな検査が受けた。覚えているのをあげると、やたら大きな風船による肺活量測定、脳のMRI、CTスキャン、PET。その他の装置名は覚えていないが、脳と骨の検査がやたら多かった。ずっと後で肺癌は脳と骨に散りやすいと聞いた。CTスキャンの画像を見ることができた。卵大ぐらいの腫瘍と思っていたが、現実は人差し指の先ほどであった。当時癌検診の最先端装置であるPETは別の病院で受けた。当時PETは、まだ日本には2台しかなく、その病院はPETを導入したおかげで苦しかった経営が一気に回復したとのことであった。
何日にもわたり、いろんな検査をされたあと、検査入院をして下さいと言われた。えっ検査だけで入院? 入院手続きを済ますと、今から検査しますと言って車椅子に乗せられた。元気なのに何故? それ程の検査ですと言われた。肺を内視鏡で見るのだという。
口から内視鏡を入れられた。経験したことのない、表現しようのない、不思議な苦しみが襲ってくる。はねられる、はねられるという先生の言葉が聞こえてくる。内視鏡が腫瘍にあたってどうもうまく見ることができないようであった。終わると何故か自分がぐったりしている。確かに車椅子が要る。その日は病院で一泊した。
外科部長から一連の検査結果が伝えられた。いろいろ調べたが、腫瘍が悪性か良性かどうかはわからなかった。手術で腫瘍を切って、即時に検査する。その後継続する手術は検査結果に応じて行う。
「先生、わからないのであれば、手術しなくてもよいのでは?」
「癌だったらどうする」と声を荒げられた。
手術に先駆けて煙草をやめること。煙草をやめないとどんな治療をしても無意味である。 まずは煙草をやめること。1ヶ月たってから来院するようにと言われた。また、私は喘息を持っているので、もし手術中に喘息の発作が起きると非常に危険なので体調を見ながら手術を行うとのことであった。
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