地球温暖化考察(11) 先カンブリア時代の気候変動3
地球温暖化考察(10) 先カンブリア時代の気候変動2
地球温暖化考察(9) 先カンブリア時代の気候変動1
地球温暖化考察(8) 46億年地球史概略
地球温暖化考察(7) 地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?
地球温暖化考察(6) 現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化考察(5) 植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地地温暖化考察(4) 地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化考察(3) 地球温暖化は、平衡論では説明できない
地球温暖化考察(2) 地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化考察(1) 地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(12) 顕生代の気候変動1
地球46億年の歴史は、大きく2つに分かれる。先カンブリア時代と顕生代である。5億4千万年前にカンブリア爆発とよばれる多種多様な生物が急増した。これはカンブリア爆発と呼ばれている。
カンブリア爆発の前が先カンブリア時代、その後は生物が顕著な時代、顕生代ある。
今まで述べてきたように大気中のCO2の増減が、気候に影響を与える。先カンブリア時代には、大陸の分裂や集合が、大気中のCO2を増減させた。大陸の分裂時には大気中のCO2が減り、大陸の集合時には大気中のCO2が増えたといわれている。このCO2の増減は、あるときには超温暖化や全球凍結の引き金になり、あるときには気候変動の抑制役を果たしてきた。
顕生代は、生物の時代である。カンブリア爆発で多種多様かつ多量な生物が出現すると、炭素循環の主役は生物になり、生物が空気中にだすCO2の増減が気候に影響を与えるようになったと考えられる。
先カンブリア時代の大気中のCO2の増減に影響を与えた大陸移動は、気候とは無関係に起きる。従って、ある時は気候変動を加速するように働き、ある時には気候変動を抑制するように働いた。つまり、大陸移動は気候変動に影響したが、気候変動は大陸移動になんら影響を与えない。
生物が炭素循環の主役になった顕生代は、生物と気候は相互に影響を与えあうと考えられる。
一般に温度が高い時には、大気中にCO2が多い。CO2が増えると植物が成長し、結果として動物も増える。CO2が生物に吸収されたことになり、大気中のCO2が減り、温度が下がる。温度が下がり、寒冷化し始めると、植物は枯れ、動物は死ぬ。枯葉や死体は腐食し、CO2を放出する。大気中のCO2が増えれば、温度があがる。このように、生物の存在は気候変動を抑制する負のフィードバックになっていると考えられる。
このように生物の存在は、気候変動を抑制するように働くと考えられる。その証拠にカンブリア爆発以降は、全球凍結も超温暖化も起きていない。
しかしながら、温度があがったからといって、直ぐには生物相が増えないし、増えたとしても直ぐに温度を下がるとは限らない。温度が下がったからといって直ぐには動物の死骸が増えたり植物が枯れたりして大気中のCO2が増えるわけではない。 タイムラグがあるし、量にも過不足がある。
生物による気候変動に対する負のフィードバックは、不完全かつ不十分であると考えられる。
カンブリア爆発以降、生物の大絶滅は5回起きているといわれている。カンブリア爆発が5億4千万年前であるから、生物の大絶滅は約1億年に一回となる。
これは、次のように考えられないだろうか。
何百年、何千年という短期間では、生物の気候へのフィードバックは不十分であるが、何十万年や何百万年という期間を考えると、生物は負のフィードバックの役割を果たしている。しかし、更に何千万年、何億年と考えると、生物が気候を安定される負のフィードバック効果も不十分さが積み重なって怪しくなる。このようにして約1億年毎に生物の大絶滅が起きる。
もう少し具体的にいうと、数千万年の長きにわたって生物の気候へのフィードバックはうまく機能しているが、一億年に近づいていくと生物の量は増えすぎて空気中のCO2が減り、寒冷化の正のフィードバックが起きて、生物の大絶滅が起きる。生物が多量に死滅するといずれ大気中のCO2が増えるので、又、生物活動が活発になる。新しい生物相で新たな気候安定期が続く。
私は顕生代の気候変動は、このように生物の影響が最大と考えているが、あきらかに天変地異による生物大絶滅があるし、大陸位置や形状が気候変動に大きく影響を与えたとも考えられているので、次回以降それらについても考えていきたい。
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