2012年10月9日火曜日

地球温暖化メカニズム考察(5)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(5)-植物の光合成がなければ、地球は熱暴走


 前回までに、現代科学は素晴らしい成果を上げている反面、弱点を持っており、地球温暖化問題は、現代科学の弱点(注1)全てを含んでいることから、理解を難しくしていることを指摘した。その中でも特に、現代科学が安定でない非平衡の系に弱いことが、理解の最大障壁になっている。平衡論で地球温暖化を理解しようとしているから、どんな科学者の予想をも上回って地球温暖化が進んでいるということになる。そして、正のフィードバック(非平衡論)を考えなければいけないのでは?となっており、そこからあまり進んでいない、つまり、これからの学問領域であるといえる。
 地球温暖化に正のフィードバックがあるという記述が散見されるので、前回、それをまとめてみた。図にすると以下のようになる。

 CO2もH2O(水蒸気)も共に温暖化ガスである。人間が化石燃料を使用することによるCO2増大が、温暖化のトリガー(引き金)となる。CO2とH2Oが協調して温暖化を促進する。(注2)この図には生物の効果が含まれていない。

 植物は、光合成によってCO2>を吸収する。周知のことである。CO2が増えれば、植物が増え、CO2が減ると考えるのが、普通であろう。

 これは平衡論的な考えである。平衡論と非平衡論をつなぐためには、変化が起きたとき、その変化を抑制するものはなんであるか、どのぐらいの速さでもとにもどるのか、そのあたりを追求する必要があると思われる。いずれにしてもCO2<が増大してもそれをカバーするだけの植物が増大すれば、地球温暖化は起きない。

 現実の生物の影響はどうなっているのだろうか。次回、そのあたりを考察する。

(注1)
現代科学の弱点は、前回までに列挙したが、ここでは例をあげてみたい。
(1)総合的な理解やシステム考察などが不十分
専門医は多いが、総合医は少ない。総合病院とうたっているところも専門医はたくさんいるが、総合医を設けているところはほとんどない。これと同じように科学の世界も細分化されていて、総合科学が弱い。
今後の地球温暖化を正確に予測するためには、かなりの総合科学力が必要である。
(2)安全性への配慮不足
安全性に欠けていることは、我々は日常的に経験している。公害や薬害、更には交通事故、最近では原発事故など。安全性は常に後追いになっている。
地球温暖化がどれほど危険であるか、その危険度の把握と対策は不十分である。
(3)非平衡現象に対する研究が不十分
竜巻や台風の発生は、正のフィードバックであるが、これらの研究は不十分である。台風や竜巻の進路予想はあっても、発生予想はほとんどない。あったとしても感覚的なものである。
もっと卑近な例が、デフレ、インフレである。これは、デフレがデフレを呼ぶ、インフレがインフレを呼ぶ、非平衡現象の典型である。デフレ・スパイラルというも、悪循環というも、正のフィードバックというも、同じことをいっている。
もし、科学の領域で非平衡論が進展すれば、科学の経済への寄与は大きくなると予想される。 

(注2) 地球温暖化のメカニズムは、別のホームページにも書いているので、そちらも参照下さい。
→ 温暖化のメカニズム
つづく

0 件のコメント:

コメントを投稿