2.危機的状態にある世界・人類文明
前回はここ。
大震災から離れて世界に目を向けてみる。かなり、相当に、きな臭い。ソマリアやアフガニスタンなどの崩壊国家の続出、イスラム原理主義によるテロ活動の頻発、中東諸国の政変、スーダンやジンバブエなどの継続的な内戦などなど数え上げればきりが無い。世界は不安定になっている。これらの裏には食糧不足があると言われている。エネルギーも紛争の種である。イラク戦争の裏に石油有り、グルジア紛争の裏に石油有り、尖閣列島もしかり。水を巡る紛争も世界各地で散発している。
そもそも人類は、文明発祥以来、自然を破壊し続けてきており、ここ百年では化石燃料を多量に消費してきた。地球は悲鳴を上げたのか、怒り出したのか、ここ数十年で目に見えて、地球は温暖化し、人類文明に強烈なしっぺ返しを開始している。熱波に、寒波、大洪水に、大旱魃。しっぺ返しは、無差別に行われる。弱いところから倒れる。食糧不足は少しずつ顕在化しつつあり、食物価格は確実に高騰化している。
温暖化は、植物が実をつける時期と動物が子育てに大量の餌を必要とする時期を狂わせ、ある種の動物を絶滅に追い込む。動植物を絶滅に追い込むのは、温暖化だけではない。ダムは、稚魚に必要な植物プランクトンの流入を阻み、防波堤は海藻を枯らす。除草剤や殺虫剤は、知らず知らずに人類を含む哺乳類の生存に必要なバクテリアや昆虫、小動物まで殺す。化学肥料は、人の体に有害物質を蓄積し、ゆっくりと寿命を縮める。材料や触媒として様々の化学物質が開発され、ある種の化学物質は、生物の生存に必要なオゾン層を破壊する。別の化学物質は、遺伝子さえ損傷させる。石炭・石油などの化石燃料の燃焼は、CO2を排出し、健康に悪い科学物質をまき散らす。車は、昔と比べて大幅に改善されたとは言え、未だに臭いガスを吐きながら走る。
いずれにしても、人類文明は、特に近代文明は、地球誕生以来、40数億年かけて、自然がつくりあげてきたミラクルの積み重ねである見事なシステムを充分理解することなく、急速に破壊している。未来を犠牲にして、今の快適さを追求している。現在の生物の絶滅スピードは地球史上過去5回起きたといわれているどの生物大量絶滅より早いと言われている。ほとんどの生物学者が、今は、第6次の大量絶滅の時代と捕らえている。自然が、自然システム破壊の元凶である人類文明を本気で潰すべく、大逆襲を開始しているようにみえる。
人類を取り巻く自然環境は、厳しくなっているが、継続的な人口爆発にブレーキはかかっていない。つい最近、世界人口は70億人を突破した。食糧不足が潜行しているなか、人口は膨張し続けている。さらに、中国・インドでは富裕層が急増、肉食急増。1kigの牛肉は穀物10kgに相当するという。食糧不足の拡大は、間違いなく紛争を増大させる。
食物不足解消に、遺伝子工学応用の食物が開発されている。遺伝子を操作し、穀物を除草剤に強くすると収穫量をあげることができるという。遺伝子操作すれば、鮭が数倍の大きさに育つという。これらは既に実用化されている。またぞろ、自然を充分理解しないまま、自然を根っこから破壊しようとしている。将来への“つけ”が、また増えている。
今後の連載予定。
3.危機脱出に向けたうねり=次世代社会の模索
4.新旧社会の対比でみる各国の動き、日本の動き
5.次世代社会の先取り=東日本復興ビジョン
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