2014年3月1日土曜日

能力開発(2) 繰り返す力

能力開発(2) 繰り返す力


 小学校から大学まで、どんなクラスにも、努力していそうにないのに、必ずできるやつがいる。勉強でも運動でも。社会に出ても余り状況は変わらない。このため、多くの人が自分には能力がないと劣等感に悩まされる。私も、なんであいつは知っているのだ、わかっているのだ、どうしてそんなことができるのか、それに反して自分は・・、とそんな思いがいつも心のどこかに・・・。

 40才代に喘息になった。喘息はつらい。吸いたい息が吸えない。直りたい一心で散歩と柔軟体操を始めた。喘息でつらい思いをした分、気づけば20年近く続けている。体調はずいぶんよくなった。あれだけ堅かった身体も、他人からみれば相変わらず堅いけれども、ずいぶん柔らかくなった。続けることは素晴らしい。それから繰り返す力に興味を持った。

 息子に繰り返す力は重要であると言ったら、知っているという。誰かがストイコビッチにどうしたらサッカーがうまくなれるかと聞いたそうだ。そうするとストイコビッチは、Repeat, repeat and repeat と答えたそうだ。ストイコビッチは、ユーゴスラビアの元サッカー代表選手で現役のとき、テクニックの華麗さで世界をうならせ、名古屋グランパスの監督を務めた人である。
野球の神様といわれた川上哲治さんは、巨人の監督をやめられたあと、少年野球の指導でいつも子供たちに繰り返しの重要性を説かれていたと聞いた。

 スポーツ選手や職人をみていれば、ストイコビッチや川上元監督の話がよくわかる。信じられないレベルに達しているのをテレビで日常的に目のあたりにする。
 もし繰り返す力の効果を子供の時に知っていれば、子供の時でなくとももっと早く知っていたら、と思う。

 そういえば、人はS字S字で成長すると何度か聞いた(下図)。繰り返すことによって必ず上達するといっても最初はなかなか成長しない。しかし、その次には成長するときがくる。そのあとは、努力しても停滞してしまう。それでも次のS字が待っている。  職業の場合、種々の理由で最初のS字を書く前に、今の職業を止めなければならないこともある(図の①)。運動選手の場合、見事にS字を書いたとしても、次の新たなS字を始めなければならないことが多い。第2の人生というやつである(図中の②)。


 もし繰り返す力の重要性と効果を知っていれば、第二、第三の人生が甘くないとことと同時に頑張れば、成功するという信念を持てるのではなかろうか。

 繰り返すことの重要さは、あらゆる世代で強く認識されるべきであると思う。 小学生には、繰り返せば必ず上手になるし、勉強もできるようになることを確実に教える。興味の持てるものを見つけさせ、もしくは、親や教師が何か興味の持てそうなものを与え、繰り返しの効果を体験させれば、それがその子の大きな宝となるはずである。大事なのは、その子の達成した成果と同時に、繰り返しは重要なのだなと思わせることであろう。

 定年退職をして、趣味でⅩⅩを始めたが、自分には才能がないというのを何度か聞いた。才能の有無ではなく、好きか、そうでないかということでないですかと答えることにしている。好きであれば、繰り返すし、そして、いつかはきっと上手になる。
 数年前から、卓球をしている。ここでも先生が、繰り返しは重要です、繰り返さないとうまくなりませんと言われる。考えながら繰り返しなさいとも言われる。自分はずいぶんう上手になっていると思うが、同じような年代の周りの人も同じように上達している。このような年でも繰り返せば、うまくなるものだと感心している。

 もし、繰り返す力が頭脳の基礎能力である記憶力、計算力、理解力などに適用されたら、どうであろう。S字を一からやり直すこともない、これこそS字S字の積み重ねではないか。多分、頭脳は訓練すれば、体力程は衰えないのではないか、逆に通説を上回って成長するのではないか思う。今からでも遅くない、頭脳の基礎能力を向上させていこうと考えている。
(能力開発 次回は英語力)

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