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2014年10月18日土曜日

地球温暖化メカニズム考察(13) 顕生代の気候変動2


地球温暖化メカニズム考察(13) 顕生代の気候変動2


 下図にカンブリア爆発から現代まで顕生代における気候変動に関連する項目の概略を示す。



 まず、気候の状態を顕著に示す、氷河時代であるか、無氷河時代であるかをあげた。次に、先カンブリア時代の気候に影響を与えてきた大陸の集合と分裂をあげた。その次には顕生代におきた大きな天変地異事件をあげた。更に、気候変動に影響を与え、又、気候変動から大きな影響を受けた生物の状況、特に顕生代に起きた生物の大絶滅をあげた。

 顕生代中には3度の氷河期があり、現在は3度目の氷河期のなかにいる。大陸は顕生代初期には分裂していたが、途中から集合に転じ、パンゲアと呼ばれる超大陸ができた。その後、超大陸は分裂を始め、現在も分裂中である。

 超大陸がほぼできあがった約2億5千万年前に地球内部からのマグマの大噴出があり、このとき顕生代最大の生物の大絶滅を引き起こした。これが一回目の天変地異である。2回目の天変地異は、6千5百万年前におきた大隕石の衝突である。これも生物の大絶滅を引き起こしたといわれており、このとき恐竜が絶滅した。

 この図にはあげていないが、実はという話をすると、専門家によれば現在こそが第6次の生物大絶滅期であり、過去5回の生物大絶滅より規模が大きくスピードがはやいという。この6次の大絶滅はいわずもがな人類のせいである、

 この図をみて、一番強調しなければならないと思うのは、無氷河期が長いということである。無氷河期とは、南極にも北極にも氷が全くないということ、つまり現在よりも地球の温度がずっと高いということである。

 このことから、よくリミット2℃とよく言われているが、これは根拠が薄いと言わざるを得ない。ゆっくりとした時間経過とともに地球の温度があがるのであれば、2度上がろうが5度上がろうが特に問題はない。リミット2℃というのであれば、これだけの短期間、例えば30年間で温度が2℃あがれば温暖化が温暖化を呼ぶという正のフィードバックを引き起こし、危険ですというべきである。リミット2℃という表現は適切ではないが、現実の温暖化速度は地球史的にみても例がないといわれているので、危険な状態には変わりない。

 ここにあげた超概略的な図から、生物が気候へ与える影響を読み取ることができる。生物の気候への影響は、一般に語られていることではあるが、一般に語られている以上に影響が大きいと考えているので、次回以降、時系列的に生物が与えた気候変動について述べていきたい。

2014年10月13日月曜日

地球温暖化メカニズム考察(12) 顕生代の気候変動1


地球温暖化メカニズム考察(12) 顕生代の気候変動1


 地球46億年の歴史は、大きく2つに分かれる。先カンブリア時代と顕生代である。5億4千万年前にカンブリア爆発とよばれる多種多様な生物が急増した。これはカンブリア爆発と呼ばれている。
カンブリア爆発の前が先カンブリア時代、その後は生物が顕著な時代、顕生代ある。 

 今まで述べてきたように大気中のCO2の増減が、気候に影響を与える。先カンブリア時代には、大陸の分裂や集合が、大気中のCO2を増減させた。大陸の分裂時には大気中のCO2が減り、大陸の集合時には大気中のCO2が増えたといわれている。このCO2の増減は、あるときには超温暖化や全球凍結の引き金になり、あるときには気候変動の抑制役を果たしてきた。

 顕生代は、生物の時代である。カンブリア爆発で多種多様かつ多量な生物が出現すると、炭素循環の主役は生物になり、生物が空気中にだすCO2の増減が気候に影響を与えるようになったと考えられる。

 先カンブリア時代の大気中のCO2の増減に影響を与えた大陸移動は、気候とは無関係に起きる。従って、ある時は気候変動を加速するように働き、ある時には気候変動を抑制するように働いた。つまり、大陸移動は気候変動に影響したが、気候変動は大陸移動になんら影響を与えない。

 生物が炭素循環の主役になった顕生代は、生物と気候は相互に影響を与えあうと考えられる。
一般に温度が高い時には、大気中にCO2が多い。CO2が増えると植物が成長し、結果として動物も増える。CO2が生物に吸収されたことになり、大気中のCO2が減り、温度が下がる。温度が下がり、寒冷化し始めると、植物は枯れ、動物は死ぬ。枯葉や死体は腐食し、CO2を放出する。大気中のCO2が増えれば、温度があがる。このように、生物の存在は気候変動を抑制する負のフィードバックになっていると考えられる。
 このように生物の存在は、気候変動を抑制するように働くと考えられる。その証拠にカンブリア爆発以降は、全球凍結も超温暖化も起きていない。
しかしながら、温度があがったからといって、直ぐには生物相が増えないし、増えたとしても直ぐに温度を下がるとは限らない。温度が下がったからといって直ぐには動物の死骸が増えたり植物が枯れたりして大気中のCO2が増えるわけではない。 タイムラグがあるし、量にも過不足がある。
 生物による気候変動に対する負のフィードバックは、不完全かつ不十分であると考えられる。

 カンブリア爆発以降、生物の大絶滅は5回起きているといわれている。カンブリア爆発が5億4千万年前であるから、生物の大絶滅は約1億年に一回となる。

 これは、次のように考えられないだろうか。
何百年、何千年という短期間では、生物の気候へのフィードバックは不十分であるが、何十万年や何百万年という期間を考えると、生物は負のフィードバックの役割を果たしている。しかし、更に何千万年、何億年と考えると、生物が気候を安定される負のフィードバック効果も不十分さが積み重なって怪しくなる。このようにして約1億年毎に生物の大絶滅が起きる。

 もう少し具体的にいうと、数千万年の長きにわたって生物の気候へのフィードバックはうまく機能しているが、一億年に近づいていくと生物の量は増えすぎて空気中のCO2が減り、寒冷化の正のフィードバックが起きて、生物の大絶滅が起きる。生物が多量に死滅するといずれ大気中のCO2が増えるので、又、生物活動が活発になる。新しい生物相で新たな気候安定期が続く。

 私は顕生代の気候変動は、このように生物の影響が最大と考えているが、あきらかに天変地異による生物大絶滅があるし、大陸位置や形状が気候変動に大きく影響を与えたとも考えられているので、次回以降それらについても考えていきたい。

2014年8月1日金曜日

地球温暖化メカニズム考察(11)

地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2
地球温暖化メカニズム考察(11)、先カンブリア時代の気候変動3

地球温暖化メカニズム考察(11)、先カンブリア時代の気候変動3


先カンブリア時代(5億4千万年以前)のおさらい
  1. 大気中のCO2分子とH2O分子は、 太陽光に対して共振する。 共振したギターの弦に音がこもるように地球の大気に熱がこもる。 このため、 大気中のCO2分子とH2O分子の量が、 地球の温度を決める。
    今までに述べてきたように大気中のCO2が増え始めると大気中にH2OとCO2が更に増え、 地球の温度を益々上げる。 大気中のCO2分子が減り始めると大気中のCO2分子とH2O分子が更に減り、 地球の温度を益々下げる。 このため、 生物の影が薄い先カンブリア時代には、 何度か地球全体が凍ったり、 逆に地球全体が超温暖化状態になったりした。 地球全体が凍る現象は全球凍結と言われている。

  2. 大陸は離散・集合を繰り返す(下図参照)。 現在の地球は、 5大陸に別れているが、 2.5億年前にはパンゲアと呼ばれる超大陸があった。 その前は、いくつかの大陸に別れていた。 その前は、 コンドワナと呼ばれる超大陸があった。 そして、その前も・・・・。
    大陸が分裂するときは大気中のCO2分子が海に吸収される傾向にあり、 大陸が集合するときは、 CO2分子が大気中に放出される傾向にある。 大気中のCO2の増減が、 ある時は全球凍結の引き金となり、 ある時は超温暖化の引き金になった。 又、 ある時には全球凍結からの脱出の役割を果たし、 ある時には超温暖化からの脱出の役割を果たした。 更に地球温度の安定化の役割を果たすときもあった。

    地球の離散や集合サイクルは数億年である。 地球の温度が大きく変わる期間は、 それよりは短い。 例えば全球凍結が継続した期間は数千万年と言われている。

  3. 太古の地球の大気には、 多量のCO2分子があった。 大陸には多量の単体金属が存在した。 大陸が離散集合を繰り返す間、 多くの金属イオンが海水中で炭酸イオン(HCO3-)と結合して炭酸塩岩となった。 海水中の炭酸イオンの消費は、 大気中から海中へのCO2の溶融を引き起こし、 CO2の大量消費つながる。 大気中のCO2分子の大量消滅は、 当然ながら全球凍結の大きな原因であり、 超温暖化からの脱出をも可能にした。

    CO2の消費はこれだけではない。
    38億年前に原始的な原核細胞と呼ばれる原始的な細胞をもつ原核生物が誕生した。 やがて光合成を行う原核生物である藍藻が現れた。 この藍藻による光合成活動で大気中のCO2が消費されO2が発生した。 このO2は先ずFeの酸化に使われた。 このとき地球上のFeほぼ全部を酸化したと言われている。 Feの酸化が終わったあと大気中にO2が増えていった。 この藍藻の光合成活動は、 超温暖化からの脱出にも寄与したと推定される。

    先カンブリアの時代、 原生代(40億年~5億4千万年)の初期に誕生した原核生物(単細胞)は、 真核生物(単細胞)に進化し、 さらに多細胞生物に進化していった。 30億年以上かけて、 自然は、現代科学が解明しきれていないほど複雑で高機能な生物の基礎となる細胞を作り上げていった。
    又、 原核細胞である光合成藍藻によって、 地球の大気に、 生物にとって重要なO2分子が大気中に供給された。 そしてカンブリア爆発と呼ばれる生物の大爆発が起きる。

こうして、 先カンブリア時代の出来事を要約してみると、 にわかに信じがたいことの連続である。 ここに述べたことは、 昔からわかっていることではなく、 ここ20~30年の間の研究で明らかになったことが多い。

 寒冷化は更なる寒冷化を呼ぶ、 温暖化は更なる温暖化を呼ぶ。 このサイクルは正のフィードバックと呼ばれている。 全球凍結や超温暖化は、 正のフィードバックの結果であり、 気候は本質的に不安定な要素を持っているという確証である。
多くの地学や気象・気候の本で、 この正のフィードバックが記述されている。 が、 記述されていない専門書もあり、 まだ十分に認識されているとは言い難い。 これは正のフィードバックの研究がまだ不十分なせいでもある。 国際機関である気候変動に関する政府間パネルIPCCもやっと最近になってやっと、この正のフィードバックに関する言及が増え始めた。

 現在の地球温暖化は過去に例のない猛烈なスピードで進んでいる。 既に猛暑、異常気象と言う形で生命を奪う災害を引き起こしており、 食料生産にも影響を及ぼしている。 温暖化防止の観点からも、温暖化を促進する正のフィードバックおよび温暖化を抑制する負のフィードバックをもっと研究・熟知する必要がある。 そして、 具体的で有効な温暖化抑制策を抽出し、 さらに周知することによって、やっと温暖化抑制策が確実に実行され、 機能すると考えられる。

 先カンブリア時代は、生物の影が薄い時代である。 しかし、光合成を行う原始的な原核細胞の藍藻が、地球上ほぼ全部のFeを酸化し、大気中に酸素を増やしていった。 生物の力、恐るべしである。 この生物、 原核細胞が進化し、 多細胞生物となり、生物の大爆発が起きた。 大爆発した生物は、一体どのように地球の気候に影響を与えたのであろうか。

 次回以降は、 生物が顕著になった顕生代について述べる。 顕生代は、生物の大爆発が起きたカンブリア紀から現在までをさす(5億4千万年前から現在)。

(参考資料)
・凍った地球 田近栄一著 新潮選書
・地球惑星科学2 地球システム科学 岩波書店
・地球惑星科学3 地球環境論 岩波書店
・地球惑星科学11 気候変動論 岩波書店
・地球学入門 酒井治孝著 東海大学出版会
・地球のしくみ 新星出版社
・最新地球史がよくわかる本 川上紳一・東條文治著 秀和システム 

2013年11月3日日曜日

地球温暖化メカニズム考察(10)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(10)-先カンブリア時代の気候変動2


 地球全体、まるごと凍ってしまう、南極・北極はもちろんのこと赤道まで氷に覆われてしまう、そのような状態を全球凍結という。全球凍結が実際に、この地球で起きたことがある。

 全球凍結の可能性は1992年に発表され、1998年ハーバート大ホフマン教授が全球凍結を証明する調査結果を発表、その発表は反響を呼び、以降、研究が重ねられ、現在、以下のように考えられている。
 先カンブリア時代、少なくとも3回地球は全球凍結した。22億年前、7億年前、そして6億年前。全球凍結では、地表温度は-50℃に、氷の厚さは1,000メートルに達し、全球凍結期間は約1,000万年に及んだという。全球凍結の後、今度は逆に超温暖化状況になり、地表温度は+50℃になったとされている。

 地球全球凍結は、今まで述べてきた寒冷化スパイラルの極限状態であり、超温暖化は、温暖化スパイラルの究極の姿であると考えられる。

 寒冷化のトリガー(引き金)は、大気中のCO2の減少であり、温暖化のトリガーは大気中のCO2の増加である。全球凍結のトリガーとなったCO2減少は、どのようにして起きたのだろうか。超温暖化のトリガーとなったCO2増大はどのようにして起こったのだろうか。

 22億年前、7億年前の全球凍結に至ったときのトリガーは大陸分裂による大気中のCO2減少であったと考えられている。大陸分裂とはどういうことなのか。大陸分裂で何故CO2が減少するのであろうか。

 大陸分裂を説明する前に、大陸移動を説明しなければならない。大陸移動説は1912年Wegenerによって唱えられたが、長い間無視されていた。1960年代になって、大陸は海底にあるプレートと呼ばれる岩盤に押されて移動するということがわかってきた。プレートは海嶺と呼ばれる海底火山から噴き出たマグマで形成され、海底火山から継続的に噴火するマグマによって押されプレートは移動する。この移動するプレートに押され、大陸も移動する。このメカニズムはプレートテクトニクスと呼ばれている。

 1980年代になって、海底火山から吹き出すマグマは、地球内部の核から上昇したものであると云われるようになった。地球内部の核から上昇したマグマ(プリュームと呼ばれる)は、プレートを形成し、プレートは新たに地表まで上昇してくるプリュームによって押され移動する。

 現在の地球を例にして説明すると次のようになる。太平洋の真中より東よりに南北に海嶺がはしっている。この海嶺は、プリュームの上昇が引き起こす火山活動によってできた山脈である。海嶺を構成するマグマは地球の深部の核より上昇したものである。この上昇していくマグマはホット・プリュームと呼ばれている。地球内部から上昇したプリュームは、地表(海底)で東西に分かれ重いプレートになって、東側はアメリカ大陸を東に押し、西側はハワイ諸島や日本を西に押し寄せていく。 日本の火山は、地球深部から湧き上がるプリュームによるものでなく、地表近くのマグマだまりから噴出したものである。

 大陸を構成する岩盤は、堅いが、海底の岩盤(プレート)よりは軽い。このため、日本を西側に追いやろうとするプレートは、大陸と同じ岩盤を構成する日本列島にあたって沈み込んでいく。この沈み込んでいったプレートは、やがて地球内部の核に向かい、下降していく。これは下降プリュームとかコールドプリュームとか呼ばれており、このプリュームは核に吸い込まれていく。核中のマグマは、流動しており、核からは、マグマがホット・プリュームとして、地表に上昇、海底火山から地球の表面(海底)にでていく。

核 → 上昇プリューム → プレート → 下降プリューム → 核

 このような大循環が形成されている。この大循環メカニズムをプリュームテクトニクスという。この大循環の周期は数千万年といわれている。

 大循環は、大陸移動を引き起こすだけではない。大陸を合体させたり、大陸を分裂させたりする。
 現在、地球には5大陸があるが、地球46億年の歴史の中での大陸変動は以下の様に考えられている。
 
 地球上に一つの大陸のみ、そのような大きな大陸は超大陸と呼ばれるが、そのような超大陸ができては分裂していった。全球凍結が起きなくなった約5億年前から現在に至る間には1回、恐竜が闊歩していたころバンゲアという超大陸があり、その後、分裂し、現在の5大陸になった。
 40億年前から5億年前の間には、数回、パンゲアのような超大陸ができては、分裂していったと考えられている。

 超大陸の分裂時に起きる化学反応が全球凍結のトリガーとなったと云われているが、その化学反応に言及する前にプリューム大循環で定常的におきている化学反応の概略を示す。

 海嶺(海底火山)から、プレートとなるマグマが流れ出るとともにCO2を吹き出す。各種金属も噴出し、海水中でイオンとなる。CO2は、海水H2Oと反応し、炭酸水素イオンHCO3-となる。

 岩石の風化によって、岩石から金属が分離し、雨・川によって、海水に金属イオンが流れ込む。火山からでてきたり、風化・浸食でできたりした海水中の金属オンが炭酸水素イオンと結合して炭酸塩岩となる。この炭酸塩岩はプレートの一部となり、プレートと一緒に旅をすることになる。プレートは大陸とぶつかり、大陸の下にもぐりこんでいく。このとき炭酸塩岩は圧力を受け、大陸中のSiO2と結合するなどして変質する。

 この変質した岩石を含んだプレートは、下降プリュームとなって地球の核に向けて下降し核に吸収されていく。下降プリューム中の岩石は核の中で分解され、マグマはCO2ガスを含んだマグマとなり、核の内部を移動する。核中のマグマは、いずれ上昇プリュームとなって地表の海嶺にむかって進む。そして、マグマと一緒にCO2が放出される。これがプリューム大循環で起きる化学反応の概略である。図中に化学式の一例を示している。

 プリュームテクトニクスによると大陸移動によって、大陸が合体し、超大陸ができる。そのできた超大陸にプリュームが上昇し、大陸が分裂を始める。近年の研究では、約2億5千万年前には、超大陸の下からスーパープリュームと呼ばれる巨大プリュームが上昇して、大陸が分裂していったとみられている。超大陸ができると必然的に大陸をめがけてプリュームが上昇するのか、その時のプリュームはスーパープリュームなのかなどの疑問は残るが、いずれにしても超大陸ができては、分裂していったと考えられている。

 下図に2億5千万年前に大陸分裂に至ったスーパープリュームの概念図を示す

 大陸が分裂すると、寒冷化が起きる。そのメカニズムを以下に説明する。
 太古の地球では、大気中はN2とCO2が支配的である。海の中にもCO2が溶けHCO3-イオンになっている。大陸分裂により海と陸地の境界線が増える。境界線が増えると陸地に雨が降りやすくなり、陸地の浸食が進む。その結果、陸地の風化で生じた金属が海の中に多量に溶け出していく。この多量に溶け出した金属イオンが海水中の炭酸水素イオンと結合し、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩岩となる。 海水中から炭酸水素イオンHCO3-が多量に減ると大気中から海中にCO2が溶けていき、減った炭酸水素イオンを補充する。このため、大気中のCO2が減る。大気中のCO2が急に減ると、これが寒冷化のトリガーとなって、寒冷化スパイラルに突入する。

 H2OとCO2のペアは、温暖化するときは温暖化を加速させるが、寒冷化する時は寒冷化を促進する。金属イオンが多量に海水中にある場合、温度が下がれば海水中のCO2許容量が増え、金属との化学反応がさらに進み、寒冷化スパイラルを更に促進させる。寒冷化を抑制する要因がないと、極限状態にまで、寒冷化し、そして、地球全球が凍結していく。


 全球凍結のあと、どうして全球凍結から解放されたのだろうか。大気中のCO2が増大し始めたとしたのであれば、どこから大気中にCO2が供給されたのであろうか。

 全球凍結中も火山活動は続いており、CO2が少しづつ大気中にでていく。増えていった大気中のCO2が、今度は温暖化のトリガーとなって温暖化スパイラルがスタートする。

 炭酸ガスが増え始めると、H2OとCO2が、温暖化を加速させるという温暖化スパイラルに入いる。温暖化スパイラルを止めるものがなければ、超温暖化状態となる。

 約25億年前から5億数千年前の太古代では、全球凍結と超温暖化を繰り返していたかとそうではない。大陸分裂などの事件が起きないときは、風化作用が温暖化スパイラル及び寒冷化スパイラルを抑制していたと考えられている。

 温暖化が進むと風化作用が活発となり、大気中のCO2が消費され、温暖化を抑制し、寒冷化スパイラルのトリガーとなる。地球が寒冷化し、風化が減少する。火山活動によるCO2増加が風化によるCO2減少を上回ると、地球が温暖化し始める。このようにして全球凍結や超温暖化が避けられていると考えられている。(下図参照)


 3回は繰り返したと考えられている全球凍結と超温暖化は、地球上の生命誕生に大きく影響したと考えれており、この生命誕生ストーリーは研究者のみならず多くの人の興味をひいていることは想像に難くないが、その解明には未だ多くの時間が必要であろう。
 現在、確かなのは如何に述べることである。

 22億年前の全球凍結に続く超温暖化が起きたとき、大気中の酸素が増えている。6億年前の全球凍結及び超温暖化が終わったときには、大気中の酸素が急増していた。これはシアノバクテリアと呼ばれる光合成を行う藻が大繁殖したためと言われている。シアノバクテリアは、大気中のCO2を吸収して、光合成を行い、酸素をだす。6億年前の超温暖化を解消したのはシアノバクテリアによるCO2吸収だとも言われている。

 シアノバクテリアによる光合成には、すざましいものがある。大気中に大量にあったCO2を吸収・分解し、大気中にほとんど存在しなかった酸素をほぼ現状までの濃度にした。それだけではない。海中に溶けている鉄イオンを酸化させ酸化鉄にした。現在、地球上にある酸化鉄はほとんどこの時代にできたものだという。つまり、この時代以降、酸化鉄はできていない。地球上のほとんどの鉄をこの時代に酸化させたことになる。
 このことは、少なくとも3回全球凍結が起きた原生代(25億年前~5億数千万年前)には海にたくさんの金属イオンが溶けており、それが炭酸水素イオンや酸素と多量に化学反応していたことを示している。
 原生代の全球凍結と超温暖化の繰り返しは、5億数千万年前に起きるカンブリア爆発と呼ばれる多種多様生物の発生の礎になったのではないかということで、研究が進められている。

 カンブリア爆発以降、海嶺の火山からでてくる金属イオンのうち、特にCaイオンは生物によって消費される。

 ここで、強調したかったのは、気候というものは非常に不安定なもので、寒冷化スパイラルや温暖化スパイラルが起きやすいものである。原生代でおきた全球凍結と超温暖化は、寒冷化スパイラルや温暖化スパイラルのかっこうの実証例ではないかと考えられる。

 この寒冷化スパイラルや温暖化スパイラルは、原生代(25億年前~5億数千年前)特有のメカニズムではなく、現在にもあてはまるメカニズムである。

 原生代のシアノバクテリアと呼ばれる藻は、大気の状態を一変させ、カンブリア爆発と呼ばれる多種多様な生物の発生を引き起こした。そして、カンブリア爆発以降、地球には生物があふれかえった。あふれかえった生物が大気の状態や気候に大きな影響を与えたと考えるのは、普通の発想ではなかろうか。

 ここで掲げた全球凍結や大陸移動・集合・分裂は、数々の出版本やインターネット情報で調べることができる。
 全球凍結、及び、プリューム・テクトロニクスは、ここ十年とか二十年という、地学の世界では最近といえる時間レベルで市民権を得た学説であり、ホットかつ研究が進行中の話題である。全球凍結や超温暖化は、生命の起源にも関係する研究でもある。プリューム・テクトニクスは今後の地球の地殻変動予想とも関連しており両方とも興味深い研究テーマである。

2013年7月29日月曜日

地球温暖化メカニズム考察(9)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(9)-先カンブリア時代の気候変動


 5億数千年前より、更に前の時代である先カンブリア時代には、生物が量質ともに少なく、この時代の気候変動は、生物の影響を無視できる。逆に言えば、この時代の気候変動と生物が旺盛な顕生代の気候変動を比較することにより、気候に対する生物の影響をクローズアップできる。


 生物の影響を無視できると考えられる先カンブリア時代の気候の研究が進み、10数年前から定説になってきている出来事がある。それは、先カンブリア時代に地球が全面凍結したことである。北極南極はもちろんのこと赤道地帯も凍ってしまう地球全球凍結である。その地球全球凍結が、先カンブリア時代に少なくとも3回起きたと考えられている。
 全球凍結後、地球は逆に超温暖化したとみられている。全休凍結の起因は何で、何が起きて地球全球凍結に至ったのであろうか。地球の超温暖化は、何が起因で何が起きたのだろうか。これらの地球全球凍結や超温暖化は、何千万年にわたって徐々に起きたと考えられている。


つづく。

その他、シリーズも書いています。 ブログ「dousube」検索画面より検索下さい。

2013年4月28日日曜日

地球温暖化メカニズム考察(8)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(8)-46億年地球史概略


 地球は46億年前にできたと云われている。
 地球ができてから、現在までの地球史を下図で概略する。


 地球ができたのは、約46億年前。この46億年はざっくり2つに分けられる。5億数千年前に多種多様な生物が質量ともに急増した。この急増はカンブリア爆発と呼ばれている。このカンブリア爆発を境に先カンブリア時代と顕生代に分けられる。つまり生物が旺盛な時代とそうでない時代で区分けされている。

 先カンブリア時代は、地球が火の玉であった冥王代と、地球は冷えて海ができたが、放射線と紫外線が降り注ぐ太古代、更に、バンアレン帯ができて放射線が減るも依然として紫外線が降り注ぐ原生代に分けられる。

 生物の隆盛は、カンブリア時代以降であるが、生物隆盛の土台は、先カンブリア時代の太古代および原生代を足し合わせた約35億年の間にできあがっている。原核生物は約38億年前に誕生したとみられている。真核生物の誕生が約30億年前、多細胞生物誕生は約10億年前、それから5億数千年前の多種多様生物出現・カンブリア時代となる。

 次回は、先カンブリア時代の気候変動を示す。

2013年4月25日木曜日

地球温暖化メカニズム考察(7)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(7)-地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?


 前回まで、現在進行している温暖化のメカニズムを考察した。もし、植物による光合成活動がなければ、温暖化は、下図に示す如く、温暖化を加速する正のフィードのオンパレードである。
この図をみていると次の疑問が湧く。もし植物がなければ、温暖化はどこまで加速されるのであろうか。更に、もし何らかの原因でCO2が減少し始めたらどうなるのであろうか。

 まず、CO2が減少し始めたらどうなるか、考えてみよう。
 CO2が減少し始めたら温度が下がる。そうすると下図のように寒冷化の正のフィードバックが働くと予想される。 ここでも、類似の疑問が湧く。寒冷化はどこまで進むのであろうか。

 生物活動が、ほとんどない6億年以前の太古の気象にその答えがあるのでは、ないか。又、生物が出現したあとの太古の気候変動はどの様に説明されているのか、どの様に考えられればよいのか、現在、人類起因と云われている温暖化を考察する上で検討すべき重要テーマであると考える。

 次回は地球ができてから現在までの地球史をおさらいしてみる。

2012年11月17日土曜日

地球温暖化メカニズム考察(6)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(6)
  -現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走


 前回、大気中にCO2が排出されると、CO2とH2Oが協調して、温暖化が加速されることを示した。下図でもう一度、要約する。温暖化は、悪循環(正のフィードバック)のオンパレードである。

 しかし、上図は植物が無い場合である。植物は、CO2を吸収するから、温度上昇を抑える。

 CO2が増え、温度があがると植物が増えるというのは、誰でも直感的にうなずけるであろう。夏になれば、木々は生い茂る。地球全体を見渡しても、赤道に近づくほど緑が豊かである。CO2増大も緑による光合成にとって好都合である。植物が増えると、植物によるCO2吸収が増える。大気中のCO2が減り、温度は下がっていく。つまり温度が安定化する。もし、温度が下がり過ぎれば、植物が枯れ、枯れて腐った植物からはCO2がでる。これも温度を安定化させる方向に働く。もし、大気中のCO2の増大が、ゆっくりしていて、人間の植物への干渉が少なければ、地球の温度は安定化に向かうはずである。

 大気中にCO2が増大し続ける今、地球上の植物はどうなっているであろうか。
上記のように、人間の経済活動は、植物を減少させている。
 古代文明は、森林破壊が原因、遠因で滅んだといわれている。(エネルギー需要→ 森林破壊 = 水源林破壊 → 雨が降れば大洪水、降らねば渇水 → 田畑の荒廃 → 食料不足 ) 更に、古代文明は滅んで、植物が蘇らない砂漠を残した。
 現在も、かなりの勢いで森林が破壊されている。特にひどいのはブラジルとインドネシア・マレーシアの熱帯雨林である。
 ブラジル・アマゾンには、1970年には 4,100,000 km2の熱帯雨林があったが、2005年には、3,403,000 km2まで減少した。日本国土面積が370,000km2であるから、日本国土の約2倍の森林が減ったことになる。35年の間に地球の肺臓と呼ばれるアマゾンの熱帯雨林が 27% も失われた。牧場開発が最も大きな森林減少理由である。
 インドネシアとマレーシアでは、2000年から2010年の10年間に 110,000km2 の森林が消えた。農園転換が最大理由である。
 日本のコンクリート行政は、ダムを作り、護岸と称し、海外線をコンクリートで固めてきた。これは生態系を壊す。
 自然本来の営みによれば、山の栄養が植物プランクトン産み、さらに、植物プランクトンが動物プランクトンを産み、小魚がこれらを餌とする。海岸線には藻が育ち、多くの海洋生物を養う。植物プランクトンや藻は、魚の餌になるだけではない、CO2を吸収する。
 ダムや護岸工事はこういった生態系を壊す。日本の海岸線から藻場が年々消えてきている。アジア大陸の沿岸では、養殖が急増したことから、藻場が急減しているといわれている。

 温暖化の影響で、CO2吸収源である珊瑚も減少している。過去40年間で珊瑚礁の1/3が消滅、世界全体で約3,000 km2の広さで珊瑚が消えた。
 北米の寒冷地帯に生える松は、立ち枯れを起こしている。これは、温暖化により、冬に松くい虫が死ななくなったためだといわれている。

  植物が減って、CO2吸収が減っているだけではない。
 温暖化により、大規模な山火事が増え、また、世界の泥炭地から多量なCO2がでている。

 NGO「国際湿地保全連合」(本部オランダ)によると2008年泥炭地からのCO2排出は約13億トンで、1990年比で20%増加。泥炭地上の森林火災を含めると年間20億トン程度になる。インドネシアの泥炭地からの排出量が最も多く、約5億トン。アブラヤシの農地開発などのために泥炭地を乾燥させたことにより、排出量が増えたとみられている。
 CO2を吸収すべき植物が、CO2を放出する側にまわっている。

 CO2排出削減が、叫ばれているが、現実は増え続けている。CO2吸収する植物が減り、逆に>CO2を放出し始めている。温度を安定化させるはずの植物が、温度を上昇させる側に回ろうとしている。温暖化の悪循環要素が増え、温暖化抑制が減っている。

 このままでは、熱暴走する可能性すらあり、非常に危険な状態と言わざるを得ない。

 アース・ポリシー研究所のレスター・ブラウン所長は、このままでは、現代文明は、古代文明が滅んだように滅ぶと危惧して、著作活動を続けるとともに世界中を飛び回って警告を発している。
 古代文明は、森林破壊が、田畑の崩壊を招き、食料不足に陥り、滅んだ。
 国際協力で推進されている温暖化検討機関でも、このまま温暖化がすすめば、水不足、食料不足になると警告している。

 温暖化は悪循環のオンパレードで、温暖化を抑制する要因が少ないとなれば、国際的な検討機関の警告以上に温暖化がすすみ、ブラウン所長が心配する通り人類文明が滅びかねない。

 下図のような更なる植物の減少や植物によるCO2放出も心配されている。

 ここまでくれば、地球上全生物の生存に危機が迫っているといえる。

 次回以降、数回にわたって過去の地球の気候を考える。

 (つづく)

2012年10月9日火曜日

地球温暖化メカニズム考察(5)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(5)-植物の光合成がなければ、地球は熱暴走


 前回までに、現代科学は素晴らしい成果を上げている反面、弱点を持っており、地球温暖化問題は、現代科学の弱点(注1)全てを含んでいることから、理解を難しくしていることを指摘した。その中でも特に、現代科学が安定でない非平衡の系に弱いことが、理解の最大障壁になっている。平衡論で地球温暖化を理解しようとしているから、どんな科学者の予想をも上回って地球温暖化が進んでいるということになる。そして、正のフィードバック(非平衡論)を考えなければいけないのでは?となっており、そこからあまり進んでいない、つまり、これからの学問領域であるといえる。
 地球温暖化に正のフィードバックがあるという記述が散見されるので、前回、それをまとめてみた。図にすると以下のようになる。

 CO2もH2O(水蒸気)も共に温暖化ガスである。人間が化石燃料を使用することによるCO2増大が、温暖化のトリガー(引き金)となる。CO2とH2Oが協調して温暖化を促進する。(注2)この図には生物の効果が含まれていない。

 植物は、光合成によってCO2>を吸収する。周知のことである。CO2が増えれば、植物が増え、CO2が減ると考えるのが、普通であろう。

 これは平衡論的な考えである。平衡論と非平衡論をつなぐためには、変化が起きたとき、その変化を抑制するものはなんであるか、どのぐらいの速さでもとにもどるのか、そのあたりを追求する必要があると思われる。いずれにしてもCO2<が増大してもそれをカバーするだけの植物が増大すれば、地球温暖化は起きない。

 現実の生物の影響はどうなっているのだろうか。次回、そのあたりを考察する。

(注1)
現代科学の弱点は、前回までに列挙したが、ここでは例をあげてみたい。
(1)総合的な理解やシステム考察などが不十分
専門医は多いが、総合医は少ない。総合病院とうたっているところも専門医はたくさんいるが、総合医を設けているところはほとんどない。これと同じように科学の世界も細分化されていて、総合科学が弱い。
今後の地球温暖化を正確に予測するためには、かなりの総合科学力が必要である。
(2)安全性への配慮不足
安全性に欠けていることは、我々は日常的に経験している。公害や薬害、更には交通事故、最近では原発事故など。安全性は常に後追いになっている。
地球温暖化がどれほど危険であるか、その危険度の把握と対策は不十分である。
(3)非平衡現象に対する研究が不十分
竜巻や台風の発生は、正のフィードバックであるが、これらの研究は不十分である。台風や竜巻の進路予想はあっても、発生予想はほとんどない。あったとしても感覚的なものである。
もっと卑近な例が、デフレ、インフレである。これは、デフレがデフレを呼ぶ、インフレがインフレを呼ぶ、非平衡現象の典型である。デフレ・スパイラルというも、悪循環というも、正のフィードバックというも、同じことをいっている。
もし、科学の領域で非平衡論が進展すれば、科学の経済への寄与は大きくなると予想される。 

(注2) 地球温暖化のメカニズムは、別のホームページにも書いているので、そちらも参照下さい。
→ 温暖化のメカニズム
つづく

2012年9月19日水曜日

地球温暖化メカニズム考察(4)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(4)
-地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード


 現代科学のすばらしさといくつかの弱点を地球温暖化考察(1)で述べた。 

 地球温暖化考察(2)では、気象気候変動は、変化がはげしく、又、複雑に関係する様々な要素を含んでおり、現代科学が、理解しづらいもの、不得手とするもの、実証しづらいもの、これらの全てを含んでいることを強調した。

 更に、気候変動論は、太古の気候変動を説明し、又、温暖化懐疑論者のまともな疑問に答えられるものでなければいけないことを指摘した。

 前回の地球温暖化考察(3)では、科学は主に平衡系を対象に発展し、地球温暖化問題も多くは熱平衡論をベースに展開しており、これでは太古の気候変動を説明できないし、温暖化懐疑論者のまともな疑問に答えられないことを示した。気象・気候問題は平衡論に固執することなく、不安定・非平衡論も取り入れて取り扱うべきだと主張した。

 地球温暖化は、人類が発生する温暖化ガス、主にCO2によるものだとされている。炭酸ガスCO2以外にも水蒸気も温暖化ガスである。その他にメタンもある。大気中の温暖化ガスが太陽光や地球の放射熱に共振し、大気を温める。ひいては地球をあたためている。

 平衡論者によれば、大気中に増えた分のCO2で地球温暖化がおきているとしている。それだけであろうか、現実の感覚としてすごいスピードで地球温暖化が進んでいるし、どの科学者の予想をも上回って地球温暖化がすすんでいるといわれている。平衡論だけでは説明できないことがおきている。主流ではないが、地球温暖化にポジティブ・フィードバック(正帰還)が働いているとの記述が散見される。その中から生物が関与しているという案件を除くと次のようになる。

1)氷は太陽光の反射率が大きい、大地も海も反射率は小さい。従って、大地も海も太陽エネルギーを吸収するが、氷は太陽エネルギーを反射して宇宙に逃がしてしまう。氷が解け、氷の表面積が減ると太陽光が、より海や大地に吸収されやすくなり、地球の温度が上がる。そうすると氷が解けて氷の表面積が減り温度が益々上昇する。

2)地球の温度が上がると海からCO2が大気中にでていく。炭酸飲料は温度があがると炭酸ガス(CO2)がでるというのは、日常的に経験している。海からCO2が大気中にでていくと益々温度があがり、更にCO2が海から大気へでていく。

3)地球の温度があがると大気中の水蒸気が増える。水蒸気も温暖化ガスである。大気中の水蒸気が増えると更に地球の温度があがる。

上記のように温度が上がる方向にポジティブ・フィードバックが働らいている。ポジティブフィードバックのオンパレードである。ポジティブフィードバックが働くと、急速な温度上昇もあり得る。数々の異常気象が世界中で急増していることをみれば、平衡論より、上記のポジティブ・フィードバック(正帰還)が働いていると考える方が、現実に即している。

 地球温暖化はどんな専門家も予想していない想定外のスピードで進んでいるといわれているが、これは平衡論をベースに予想しているからである。もし、ポジティブ・フィードバックをベースに考えると温暖化スピードはかなり速くなるわけで、どんな専門家も予想していないということにならず、想定内の速さになってしまう。現状の急速な温暖化にはポジティブ・フィードバックが確実に大きく寄与しているとしか考えられない。

 次回は生物の影響を考える。

(つづく)

2012年8月16日木曜日

地球温暖化メカニズム考察(3)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(3)-地球温暖化は、平衡論では説明できない


 現代科学のすばらしさといくつかの弱点を前の前の回で述べた。
 前回では、気象気候変動は、変化がはげしく、又、複雑に関係する様々な要素を含んでおり、現代科学が、理解しづらいもの、不得手とするもの、実証しづらいもの、これらの全てを含んでいることを強調した。
 更に、気候変動論は、太古の気候変動を説明し、又、温暖化懐疑論者のまともな疑問に答えられるものでなければいけないことを指摘した。

 地球温暖化の研究者は、地球温暖化が旱魃、大洪水を引き起こし、更に、水不足、食料不足を引き起こすと声を大にして警告している。
 しかし、懐疑論者を黙らすことができず、多くの科学者はそっぽを向いている。政界も経済界も真剣に対応しようとしていない。
 温暖化問題を悠長にかまえていいのか、もっと危険視しなければならないのか、科学的にもっと真相に迫る必要があるのではなかろうか。
 地球温暖化の研究者の警告どおり、世界的に旱魃、大洪水が増えている。警告以上に被害が増大しているようにもみえる。危機管理の観点からも地球温暖化メカニズムの追及は、世界の最重要テーマではないのではなかろうか。 
 地球温暖化で警告を発している科学者は、説得力を欠いている。気候変動理論が不十分、のせいだと思う。気象も気候も、安定してない。不安定性の研究が不十分なため、地球温暖化の危機を正しく、世の中に伝えることができていないのではないか。
 科学は主に平衡系を対象に発展したので、不安定な系に対しても平衡状態を前提に考察していないだろうか。
 気候問題を扱っているところでは、常に熱収支の図がでてくる。地球温暖化に警告を発している専門機関においても、熱収支図が前面にでている。これは熱平衡を大前提にしているように思える。完全平衡ではなく、準平衡としての熱収支であれば、大いに価値があるが、そうは見えない。過去の科学の常識にとらわれることなく、気候問題に取り組む必要があると考える。

 ある変化があったとする。起きた変化が小さくなる様に力が働く場合と、起きた変化が更に大きくなる様に力が働く場合がある。前者は、ネガティブフィードバック(負帰還)と呼ばれ、後者は、ポジティブフィードバック(正帰還)と呼ばれる。
 変化に対して、ネガティブフィードバック(負帰還)がかかると系は安定に向かって進む。系に対して、ポジティブフィードバック(正帰還)が働くと系は全く違った方向に進み、元とは全く異なる系になってしまう。

 系にネガティブフィードバック(負帰還)が、十分に働いてすぐに安定状態になるケースに対して、科学は大きく進展した。
 安定な系を意識的に作って実験してきたし、安定な系を対象に観測してきた。しかし、気候問題は平衡論では不十分であり、今後は不安定な系の研究をもっと精力的に推し進めるべきだと考える。

  系が変化に対して、振動しながら平衡に達していくケースや、系が振動し続ける系、更には振幅が増えながら変化が振動する場合が考えられる。これらはポジティブフィードバックとネガティブフィードバックが複雑に絡み合っていると推察する。このような系は研究が不十分な未知な領域である。

 以前、宇宙は静的なものとして捉えられていた。しかし、観測技術が進展した現在では、宇宙は静的なものでなく、逆に激動していると捉えられている。

 地球史もこの数十年でいろんなことがわかってきており、現在急速に進歩している学問分野となっている。地質学的にみれば、地球の気候は予想以上に激動している。

 過去の科学の常識にとらわれることなく、不安定な系の研究を推進し、気候変動問題を世界全体がもっと注力して取り組むべきだと考える。地球温暖化の被害は非常に大きいので、世界中で問題を共用し、真剣に取り組まなければならないと考える。

(つづく)

2012年7月28日土曜日

地球温暖化メカニズム考察(2)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(2)-地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問


 現代科学のすばらしさといくつかの弱点を前回述べた。気象気候変動は、現代科学が理解しづらいもの、不得手とするもの、実証しづらいもの、これらの全てを含んでいる。

 現代科学は、対象が安定しているもの、平衡しているものを研究することによって大きく進展した。しかし、天候は、日々、そして時々刻々変わる。こうした日々、我々が実感している天気の変動は気象変動と呼ばれる。地球の気温を1年にわたって平均する、そして更に世界で平均をとる。その平均値で長期にわたる天候の変動を検討する。これが気候変動と呼ばれていている。

 熱は高い方から低い方へ流れる。風は気圧の高い方から低い方へ流れる。熱も大気圧も均一(平衡)になるまで流れようとするが、現実の天候をみていると、均一にはならない。均一になる前にもともとの条件が変わってしまう。温度が平衡(均一)になる前に、夜が訪れいままで高温であったところが低温になる。熱の流れ、風の流れが変わる。つまりいつも不安定である。

 日々の気象は不安定であるが、長期の気候をみるとほぼ安定している、長期的な気候は平衡論をベースに展開できるというのが主流のように思われる。しかし、長期の気候が平衡論で展開できるというのは確かだろうか。気候変動は、平衡論に固執することなく、非平衡論をも含めて考察する必要があるのではないか、もっと不安定な系の研究を促進すべきではないかと考える。

 現代科学は局所的な問題を深く追及して大きな成果を上げた。気象・気候変動問題は、このようなアプローチではなかなかうまくいかないと推察される。
 地球史の世界は、従来、生物史、大陸移動史、気候史などなど様々な分野にわかれていた。しかし、いろんな事象が複雑に関係しあっているというがわかり、総合的にトータルシステムとして考察すべきではないかということになり、研究方法に大きなパラダイム(大系枠組、理論枠組)シフトが起きていると聞く。気象・気候変動問題もこのように大きなトータルシステムで考える必要があるのではないか。     

 気候変動論は太古の昔の気候変動をも、ある程度説明できるものでなければいけないと考える。太古の昔、細胞レベルの生物しかいなかった時代には、地球は全球凍結したり、超温暖化したりしている。

 生物が出現してからは、全休凍結も超温暖化もなくなった。これは生物の存在が気候に大きく関係していると言えるのではないか。生物出現後、全休凍結、超温暖化はなくなったが、温暖期と氷河期を繰り返している。何故そうなのか、このあたりの追及も必要ではないのか。

 科学の世界では新説がでると、先ず「嘘や」と疑われる。確認実験が行われ、真偽が確かめられ、新説が肉付けされる。懐疑的な見解に対しても疑問が解かれていき、新説が充実し確立していく。地球温暖化にも懐疑論がある。温暖化懐疑論者の大きな疑問は、以下の2点である。

  1. 地球温暖化の原因といわれているCO2よりH2Oの方が、温暖化効果が大きい。地球大気中にはH2O蒸気のほうが、CO2ガスよりはるかに多い。なぜCO2が温暖化の原因と言えるのか。
  2. 恐竜が闊歩していた時代は、地球は今より高温で、CO2濃度も多かった。その時より温度が低く、CO2濃度も低いのに何故現在の状態が問題なのだ。
 現在、地球温暖化を訴える研究者は、これらの疑問にきちんと答えることができていないのではないか。懐疑論者は危険と目されている地球温暖化に疑問をつきつけ、そして嘘やと言っている。嘘やと言って更なる科学的な追及を怠っているようにみえる。地球温暖化は将来の安全保証に関わる大問題なので、懐疑論者は、もし自分が間違っていれば、相応のペナルティを払う覚悟が要るのではないか。それほどの覚悟と責任を感じて温暖化問題を協力して解明していくべきではないだろうか。

 理科系の人は、是非、温暖化問題を逃げずに、自分なりに調査するなり、考えたりして頂きたいと思う。

(つづく)

2012年7月19日木曜日

地球温暖化メカニズム考察(1)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(1)-地球温暖化は現代科学が不得手とするもののひとつ


 科学技術の進展には目をみはるものがある。 素粒子の世界では、新粒子が発見されたというニュースが、最近、新聞紙上をにぎわした。究極物質の追及はとどまるところを知らない。100億年以上も前におきた宇宙開闢の解明も着々と進んでいる。生命の根源ともいえるDNAの2重らせん構造が発見されて既に50年以上、最近では遺伝子情報の解明が進み、遺伝子の組み換え操作も行われている。超高速で多量のデータが世界中を飛び交うネット社会。数十年前のスーパーコンピュータ機能は各個人のパソコンに搭載されている。人が月に降り立ってからも40数年。各家庭には車が普通などなど科学技術の進展は、驚異的である。

 これらの科学の進展に大きく寄与したのが実験である。実験により法則を見つけ、そして確認する。純度の高い結晶を作るのも、新しい材料を探索するにも、製品を作る場合においても、実験によって一つ一つずつ法則やノウハウが着実に積み重ねられていく。結果的に驚くべき科学社会が実現した。

 実験をする場合、通常、邪魔となるものは徹底的に取り除かれる。温度が邪魔となれば、液体窒素温度である‐196℃まで冷やす。それでも不十分であれば、ヘリウム温度の‐269℃まで冷やす。空気が邪魔となれば真空が用意される。1気圧より10桁以上小さい真空が保たれる。対象物を平衡状態で安定にさせておき、そこにコントロールされた刺激を与え、そのレスポンスを測定、解析し、法則を見つけ、対象物の性質をこと細かく把握する。実験事実は強く、人々の予想を簡単に裏切る。よくできている理論さえ覆すことがある。それだけ厳正ではっきりしており、それらが積み重なることにより科学が確実に進歩する。

 しかし、実験ができないもの、実験が不十分にしかできないもの、実験を不得手とするもの、こういった範疇にはいる科学分野は、今なお不明な点が多い。実験ができないものとして物事が複雑にからむ複雑系システム、実験が不十分にしかできないものとして安全性があげられる。実験を不得手とするものとして、変化が激しいシステムがあげられる。例えば、変化が加速される正のフードバックシステムなど。

 気候・気象変動は、まさに実験ができないもの、実験が不十分にしかできないもの、実験を不得手とする範疇に入る。

 気象・気候問題は、地球規模でとらえないとうまく説明できないといわれており、地球温暖化に対する深刻度、危険度は不確かである。台風・竜巻、更には地球温暖化自体も変化が激しいシステムである。

 地球温暖化の脅威は、既に公な機関が認めるものであり、大洪水・大旱魃の危機が叫ばれ、諸外国は既に大きな被害を受けている。日本もここにきて、ゲリラ豪雨に始まり、スーパー台風、ハイバーゲリラ豪雨、いままでに経験したことのない大雨などなど気象異常に対する新語が飛び交うようになってきた。甚大な被害もでている。温暖化が非常に危険な状態になっている可能性がある。

 温暖化は既に危険水域に入っていると推定されるので、多くの科学者が、地球温暖化をできたらメインテーマに、無理ならセカンドテーマとして取組むべきではないかと思う。

 私も微力ながらいろいろ考え、多くの人が考えるきっかけとなればと思う。

(つづく)