2014年10月10日金曜日

気象気候あれこれ(3) – コリオリの力2


気象気候あれこれ(3) – コリオリの力2


地球は自転している。この自転のため、地球上で動いているものに対して、力が加わる。この力はコリオリの力と呼ばれている。
前回、北半球においては、台風はコリオリの力で左回り(反時計回り)、高気圧からでてくる風は右回り(時計回り)であることを示した。南半球では逆回りとなる。

 地球上に吹いている貿易風や偏西風もこのコリオリの力で説明できる。
一般に暖かい場所は大気が膨張し、軽くなって上昇するので、低気圧となる。寒いところは空気が圧縮され、重くなって下降するので、高気圧となるといわれている。

 18世紀にハドレーという人が、赤道では大気が上昇し、低気圧となる。一方北極では、大気が冷え下降して高気圧となる。このため地表では、北極から赤道に向かって、風が吹く。赤道の上空は、大気が上昇してくるので、高気圧化し、北極の上空は、大気が下降するので低圧化している。従って、上空では赤道から北極へ向けて風が吹く。このように赤道と南極の間を大気が大循環していると提唱した。(下図参照)



 現実は、北緯30度付近に高気圧帯があり、北緯60度付近に低気圧帯がある。これら高気圧帯と低気圧帯を考慮した大気循環の流れを下図で示す。


 コリオリの力を考慮すると下図のようになる。


いわゆる貿易風、偏西風は30度付近の高気圧帯、60度付近の低気圧帯を前提としてコリオリの力を考慮すると上図のように説明できる。赤道から30度までの大気の流れは、ハドレー循環、30度から60度の大気の流れをフェレル循環、60度から北極前の大気循環は極循環と言われている。 教科書やネット上で類似の図をみることができる。ここでは他の図では取り入れられていない以下の点を図で示している。
  • 地表に平行に動く風には、コリオリの力が北極では強く働くのに対し、赤道に近づくにつれて弱くなること。これは楕円の傾きで示している。
  • 上昇気流や下降気流に対しては、コリオリの力は赤道付近では最も大きく、北極に近づくにつれて弱くなくこと。これは楕円の幅で示している。
  • 上昇気流は西に動いていくのに対し、下降気流は東に動くこと。これは楕円の色と矢印でわかるようにしている。
上記のように図に差別化をしているとはいえ、既にたくさんの情報があるなか、ここで大気の流れに言及したのは、30度付近に高気圧帯があり、60度付近に低気圧帯があるのは何故かと云うことをいずれ考察したいからである。

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