2012年8月16日木曜日

地球温暖化メカニズム考察(3)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(3)-地球温暖化は、平衡論では説明できない


 現代科学のすばらしさといくつかの弱点を前の前の回で述べた。
 前回では、気象気候変動は、変化がはげしく、又、複雑に関係する様々な要素を含んでおり、現代科学が、理解しづらいもの、不得手とするもの、実証しづらいもの、これらの全てを含んでいることを強調した。
 更に、気候変動論は、太古の気候変動を説明し、又、温暖化懐疑論者のまともな疑問に答えられるものでなければいけないことを指摘した。

 地球温暖化の研究者は、地球温暖化が旱魃、大洪水を引き起こし、更に、水不足、食料不足を引き起こすと声を大にして警告している。
 しかし、懐疑論者を黙らすことができず、多くの科学者はそっぽを向いている。政界も経済界も真剣に対応しようとしていない。
 温暖化問題を悠長にかまえていいのか、もっと危険視しなければならないのか、科学的にもっと真相に迫る必要があるのではなかろうか。
 地球温暖化の研究者の警告どおり、世界的に旱魃、大洪水が増えている。警告以上に被害が増大しているようにもみえる。危機管理の観点からも地球温暖化メカニズムの追及は、世界の最重要テーマではないのではなかろうか。 
 地球温暖化で警告を発している科学者は、説得力を欠いている。気候変動理論が不十分、のせいだと思う。気象も気候も、安定してない。不安定性の研究が不十分なため、地球温暖化の危機を正しく、世の中に伝えることができていないのではないか。
 科学は主に平衡系を対象に発展したので、不安定な系に対しても平衡状態を前提に考察していないだろうか。
 気候問題を扱っているところでは、常に熱収支の図がでてくる。地球温暖化に警告を発している専門機関においても、熱収支図が前面にでている。これは熱平衡を大前提にしているように思える。完全平衡ではなく、準平衡としての熱収支であれば、大いに価値があるが、そうは見えない。過去の科学の常識にとらわれることなく、気候問題に取り組む必要があると考える。

 ある変化があったとする。起きた変化が小さくなる様に力が働く場合と、起きた変化が更に大きくなる様に力が働く場合がある。前者は、ネガティブフィードバック(負帰還)と呼ばれ、後者は、ポジティブフィードバック(正帰還)と呼ばれる。
 変化に対して、ネガティブフィードバック(負帰還)がかかると系は安定に向かって進む。系に対して、ポジティブフィードバック(正帰還)が働くと系は全く違った方向に進み、元とは全く異なる系になってしまう。

 系にネガティブフィードバック(負帰還)が、十分に働いてすぐに安定状態になるケースに対して、科学は大きく進展した。
 安定な系を意識的に作って実験してきたし、安定な系を対象に観測してきた。しかし、気候問題は平衡論では不十分であり、今後は不安定な系の研究をもっと精力的に推し進めるべきだと考える。

  系が変化に対して、振動しながら平衡に達していくケースや、系が振動し続ける系、更には振幅が増えながら変化が振動する場合が考えられる。これらはポジティブフィードバックとネガティブフィードバックが複雑に絡み合っていると推察する。このような系は研究が不十分な未知な領域である。

 以前、宇宙は静的なものとして捉えられていた。しかし、観測技術が進展した現在では、宇宙は静的なものでなく、逆に激動していると捉えられている。

 地球史もこの数十年でいろんなことがわかってきており、現在急速に進歩している学問分野となっている。地質学的にみれば、地球の気候は予想以上に激動している。

 過去の科学の常識にとらわれることなく、不安定な系の研究を推進し、気候変動問題を世界全体がもっと注力して取り組むべきだと考える。地球温暖化の被害は非常に大きいので、世界中で問題を共用し、真剣に取り組まなければならないと考える。

(つづく)

2012年8月13日月曜日

エネルギー問題(1)

 政府の「エネルギー・環境会議」は、「エネルギー・環境に関する選択肢(案)」を6月29日に発表した。このなかで、2030年までの日本の原発とエネルギー政策の在り方が、3つのシナリオ「原発ゼロシナリオ」、「原発15シナリオ」、「原発20-25シナリオ」で示され、パブリックコメントを8月12日までに受け付けた。
  
 国家の再重要案件であるエネルギー問題に対して、既得権益の生き残りを図ろうとする魂胆がプンプン匂い、これが日本国のエネルギー政策かとがっかりさせられるものを感じるが、とりあえずパブリックコメントに応じた。再稼働ですら反対であるが、「原発ゼロシナリオ」の割合をほんのわずかでも増やすことを目的に応じた。
 
 以下は、私が提出したコメントである。
 
 意見の概要(100字以内)
 
 「ゼロシナリオ」を支持します。今後のエネルギー政策は、真の安心・安全保証を旨とすべきです。地球温暖化は世界の脅威となっており、脱原発と地球温暖化対策を両立させるシナリオを再検討すべきです。
 
 意見及び理由
 
 「ゼロシナリオ」を強く指示します。核燃料サイクルは技術的、経済的に破綻していることは目にみえています。ということは、使用済み核燃料は行き場がないことを意味します。六ヶ所村に持っていけない、どの市町村も引き取らない。海も国際法で禁止されている。引き取ってくれる国などあるはずもない。原子力発電所内にそのまま置いておくしかない。使用済み核燃料保存プールもいずれ近いうちに満杯。

核燃料サイクル不可=原発継続不可

 となっており、原発は既に袋小路に入っており、原発継続は物理的に破綻間近。
 地球は地震の世紀に入っており、地震の巣窟である日本で原発を続けることは、国民にとって大博打。世界にとって大迷惑ではありませんか。
  原発自体、大問題。何十万年も放射能を出し続ける使用済み核燃料を産み、稼働時、稼働後も大量の水で冷やし続けなければならず生態系への被害も少なくない。何よりも今回の福島、過去のスリーマイル、チェルノブイリにみられるような大被害と隣り合わせとなっている。使用済み核燃料をどう処分すればよいのかわかっていない。
 こう考えると、原発は、愚者の発明品と断言することもでき、それを使い続けることは愚の骨頂ではありませんか。「ゼロシナリオ」を強く強く指示します。
 
 地球温暖化は、専門家が「地球温暖化が進むと大洪水と旱魃が頻発する」と警告しており、その通りに進んでいます。
 タイの大洪水、最近ではフィリピンの大洪水、海外の大洪水はあまり国内では報道されませんが、頻発しています。温暖化被害の比較的少なかった日本においても、「ゲリラ豪雨」「スーパー台風」「スーパーゲリラ豪雨」「これまでに経験したことのない大雨」「ゲリラ雷雨」と次から次へと新語が必要なほどの異常豪雨が発生し、人的・物理的被害も甚大となっています。大きな竜巻は日本では、発生しないと言われていたのに、しばしば発生するようになっています。
 ここ1ヶ月で、米国、ロシア、インドの旱魃が新聞記事をにぎわしています。さらに温暖化が進めば、水不足、食料不足になると地球温暖化の専門家は警告しています。
 ここまで、地球温暖化の世界的被害が大きくなっているのに、CO2排出削減目標が少ないのはおかしい。原発無しで国際公約となっている2020年に1990年比 25%CO2排出削減に挑戦すべきと考えます。
 自然エネルギーの倍増を数年間継続すれば、電源の自然エネルギー比率を温暖化対策の先進国並みにすることができます。追い抜くことは難しいとしても、短期で追いつくことは可能なはずです。そうすれば、2020年25%CO2排出削減も可能になります。原発無し、自然エネルギー強化、省エネを国民的な目標にすればできるはずです。
 自然エネルギーの急速な普及は、どうしても不可能というのであれば、天然ガスを使ったコージェネレーションシステムやトリジェネレーションシステムもあるではありませんか。
 
 エネルギー自給率の向上も目標にすべきです。エネルギーは、昔も今も将来も国際紛争の種です。環境省の調査では、将来的には自然エネルギーのみで電源エネルギーは全てまかなえます。 
 全エネルギーの自給率を100%にするには、日本の所有する海域での海洋資源を開発すべきと考えます。メタンハイドレードも豊富だと聞いています。エネルギーではありませんが、熱鉱床も豊富だと聞いています。日本国内の海洋エネルギー、海洋資源にももっと力を注ぐべきです。
 
 原発をはじめ、各種既存技術に依存していては、日本のGDPは伸びるとは思えません。現在そして将来の主要産業である自然エネルギー、海洋エネルギー資源・海洋資源にもっと注力すべきです。
 多種多様で小規模な自然エネルギー技術に磨きをかけ、それらをきめ細かく、つないでいく。更に、省エネもきめ細かくすすめていく。まさに日本人の性格にあった技術だと思われます。これらの技術は世界をリードするはずです。そして、これらのエネルギーは真に安心・安全で持続可能なエネルギーです。2020年、1990年比25%CO2排出削減目標を捨てるべきではありません。
 
 

2012年8月3日金曜日

幾何学模様(8)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)、(8)、(7)(6)(5)(4)(3)(2)(1)

これまでに、
幾何学模様(1)で r=cos(jθ/k)|を、
幾何学模様(2)で、ハートマーク 
r=|cos(jθ/2)|*(1+|sin (jθ/2)* cos (jθ/2)|) を、
幾何学模様(4)(5)(6)(7)では、
r=|sin(jθ/k)|n/m+|cos(jθ/k)| n/m を検討してきた。

今回から数回、スーパー楕円 |x/a|α+|y/b|α=1 を検討する。

x=rcosy=rsinθであるから、スーパー楕円は、 
r=(|cosθ/a|α+|sinθ/b|α)-1/α と書くことができる。

ここでは、b=1、α=n/mn,mは正整数)として検討する。
a=b=1
 n/m=4/m(m=1,2,3・・・6)のスーパー楕円を下図に示す。


n/m>2の場合、角丸四角になる。これはラメ曲線と呼ばれている。n/m=2の場合、円となる。2>n/m>1の場合、角丸菱形となる。n/m=1の場合、菱形となる。n/m<1の場合、星状になる。n/m=2/3の場合は、特にアステロイドもしくは星芒形と呼ばれている。 

a=2b=120/m (m=1,2,3・・・40)のスーパー楕円   
r=(|cosθ/2|20/m+|sinθ|20/m)-m/20  を以下の動画で示す。




2012年7月29日日曜日

幾何学模様(7)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)、(7)、(6)(5)(4)(3)(2)(1)

関数r=|sin(jθ/k)|n/m+|cos(jθ/k)| n/mj,k,n,m:正整数)において、前々々回(幾何学模様(4))は、j=k=m=1としてnを変更してみた。前回(幾何学模様(5))は、J==n=1としてmを変えてみた。前回(幾何学模様(6))はn/m=20j=1としてkを変えてみた。

今回は、n/m=20k=4として、jを変えてみた。K=4としたのは、前回の検討でk=4が最もシンプルであるからである。n/m=20としたのは、j=k=m=1の場合、図形が4つにはっきりわかれるからである。

関数r=|sin(jθ/4)|20cos(jθ/4)| 20において、正整数jを変えてみる。そうすると各jにたいして、楕円状の図形の頂点を結ぶとj角形になるパターンができる。

以下にそれを示す。





2012年7月28日土曜日

地球温暖化メカニズム考察(2)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(2)-地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問


 現代科学のすばらしさといくつかの弱点を前回述べた。気象気候変動は、現代科学が理解しづらいもの、不得手とするもの、実証しづらいもの、これらの全てを含んでいる。

 現代科学は、対象が安定しているもの、平衡しているものを研究することによって大きく進展した。しかし、天候は、日々、そして時々刻々変わる。こうした日々、我々が実感している天気の変動は気象変動と呼ばれる。地球の気温を1年にわたって平均する、そして更に世界で平均をとる。その平均値で長期にわたる天候の変動を検討する。これが気候変動と呼ばれていている。

 熱は高い方から低い方へ流れる。風は気圧の高い方から低い方へ流れる。熱も大気圧も均一(平衡)になるまで流れようとするが、現実の天候をみていると、均一にはならない。均一になる前にもともとの条件が変わってしまう。温度が平衡(均一)になる前に、夜が訪れいままで高温であったところが低温になる。熱の流れ、風の流れが変わる。つまりいつも不安定である。

 日々の気象は不安定であるが、長期の気候をみるとほぼ安定している、長期的な気候は平衡論をベースに展開できるというのが主流のように思われる。しかし、長期の気候が平衡論で展開できるというのは確かだろうか。気候変動は、平衡論に固執することなく、非平衡論をも含めて考察する必要があるのではないか、もっと不安定な系の研究を促進すべきではないかと考える。

 現代科学は局所的な問題を深く追及して大きな成果を上げた。気象・気候変動問題は、このようなアプローチではなかなかうまくいかないと推察される。
 地球史の世界は、従来、生物史、大陸移動史、気候史などなど様々な分野にわかれていた。しかし、いろんな事象が複雑に関係しあっているというがわかり、総合的にトータルシステムとして考察すべきではないかということになり、研究方法に大きなパラダイム(大系枠組、理論枠組)シフトが起きていると聞く。気象・気候変動問題もこのように大きなトータルシステムで考える必要があるのではないか。     

 気候変動論は太古の昔の気候変動をも、ある程度説明できるものでなければいけないと考える。太古の昔、細胞レベルの生物しかいなかった時代には、地球は全球凍結したり、超温暖化したりしている。

 生物が出現してからは、全休凍結も超温暖化もなくなった。これは生物の存在が気候に大きく関係していると言えるのではないか。生物出現後、全休凍結、超温暖化はなくなったが、温暖期と氷河期を繰り返している。何故そうなのか、このあたりの追及も必要ではないのか。

 科学の世界では新説がでると、先ず「嘘や」と疑われる。確認実験が行われ、真偽が確かめられ、新説が肉付けされる。懐疑的な見解に対しても疑問が解かれていき、新説が充実し確立していく。地球温暖化にも懐疑論がある。温暖化懐疑論者の大きな疑問は、以下の2点である。

  1. 地球温暖化の原因といわれているCO2よりH2Oの方が、温暖化効果が大きい。地球大気中にはH2O蒸気のほうが、CO2ガスよりはるかに多い。なぜCO2が温暖化の原因と言えるのか。
  2. 恐竜が闊歩していた時代は、地球は今より高温で、CO2濃度も多かった。その時より温度が低く、CO2濃度も低いのに何故現在の状態が問題なのだ。
 現在、地球温暖化を訴える研究者は、これらの疑問にきちんと答えることができていないのではないか。懐疑論者は危険と目されている地球温暖化に疑問をつきつけ、そして嘘やと言っている。嘘やと言って更なる科学的な追及を怠っているようにみえる。地球温暖化は将来の安全保証に関わる大問題なので、懐疑論者は、もし自分が間違っていれば、相応のペナルティを払う覚悟が要るのではないか。それほどの覚悟と責任を感じて温暖化問題を協力して解明していくべきではないだろうか。

 理科系の人は、是非、温暖化問題を逃げずに、自分なりに調査するなり、考えたりして頂きたいと思う。

(つづく)

2012年7月25日水曜日

幾何学模様(6)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)(7)、(6)、(5)(4)(3)(2)(1)

r=|sin(jθ/k)|n/m+|cos(jθ/k)| n/mj,k,n,m:正整数)において、前々回(幾何学模様(4)は、j=k=m=1としてnを変更してみた。前回(幾何学模様(5)は、J==n=1としてmを変えてみた。

今回はn/m=20j=1としてkを変えてみる。n/m=20としたのは、j=k=m=1の場合、図形が4つにはっきりわかれるからである。
n/m=20j=1として、Kを変えてみると、kに対して単調に変化するのではなく、複数のモードがあることがわかった。大きくは4つのモードに分かれる。4k,4k-1,4k-2,4k-3である。

以下にそれぞれを示す。











2012年7月24日火曜日

幾何学模様(5)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)(7)(6)、(5)、(4)(3)(2)(1)

前回まで

今回
r=|sin(θ/)|n/m+|cos(θ/)| n/mj,k,n:正整数)において、n/m=2は円である。n/m=2は円である。n/m>2として、前回n/m=3,4,5・・・の例を示した。
今回、n/m<2として、n/m=1/1,1/2,1/3・・・を以下に示す。どれもr=1の円に内接している。mが大きくなるとrの最大値は2に近づく。


2012年7月19日木曜日

地球温暖化メカニズム考察(1)


地球温暖化メカニズム考察(1)、地球温暖化は、現代科学が不得手とするもののひとつ
地球温暖化メカニズム考察(2)、地球温暖化懐疑論者の大きなまともな疑問
地球温暖化メカニズム考察(3)、地球温暖化は、平衡論では説明できない<
地球温暖化メカニズム考察(4)、地球温暖化は、ポジティブ・フィードバックのオンパレード
地球温暖化メカニズム考察(5)、植物の光合成がなければ、地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(6)、現代社会は、植物をも減少させている。このままでは地球は熱暴走
地球温暖化メカニズム考察(7)、地球には氷河期があった。寒冷化メカニズムは?>
地球温暖化メカニズム考察(8)、46億年地球史概略
地球温暖化メカニズム考察(9)、先カンブリア時代の気候変動
地球温暖化メカニズム考察(10)、先カンブリア時代の気候変動2

地球温暖化メカニズム考察(1)-地球温暖化は現代科学が不得手とするもののひとつ


 科学技術の進展には目をみはるものがある。 素粒子の世界では、新粒子が発見されたというニュースが、最近、新聞紙上をにぎわした。究極物質の追及はとどまるところを知らない。100億年以上も前におきた宇宙開闢の解明も着々と進んでいる。生命の根源ともいえるDNAの2重らせん構造が発見されて既に50年以上、最近では遺伝子情報の解明が進み、遺伝子の組み換え操作も行われている。超高速で多量のデータが世界中を飛び交うネット社会。数十年前のスーパーコンピュータ機能は各個人のパソコンに搭載されている。人が月に降り立ってからも40数年。各家庭には車が普通などなど科学技術の進展は、驚異的である。

 これらの科学の進展に大きく寄与したのが実験である。実験により法則を見つけ、そして確認する。純度の高い結晶を作るのも、新しい材料を探索するにも、製品を作る場合においても、実験によって一つ一つずつ法則やノウハウが着実に積み重ねられていく。結果的に驚くべき科学社会が実現した。

 実験をする場合、通常、邪魔となるものは徹底的に取り除かれる。温度が邪魔となれば、液体窒素温度である‐196℃まで冷やす。それでも不十分であれば、ヘリウム温度の‐269℃まで冷やす。空気が邪魔となれば真空が用意される。1気圧より10桁以上小さい真空が保たれる。対象物を平衡状態で安定にさせておき、そこにコントロールされた刺激を与え、そのレスポンスを測定、解析し、法則を見つけ、対象物の性質をこと細かく把握する。実験事実は強く、人々の予想を簡単に裏切る。よくできている理論さえ覆すことがある。それだけ厳正ではっきりしており、それらが積み重なることにより科学が確実に進歩する。

 しかし、実験ができないもの、実験が不十分にしかできないもの、実験を不得手とするもの、こういった範疇にはいる科学分野は、今なお不明な点が多い。実験ができないものとして物事が複雑にからむ複雑系システム、実験が不十分にしかできないものとして安全性があげられる。実験を不得手とするものとして、変化が激しいシステムがあげられる。例えば、変化が加速される正のフードバックシステムなど。

 気候・気象変動は、まさに実験ができないもの、実験が不十分にしかできないもの、実験を不得手とする範疇に入る。

 気象・気候問題は、地球規模でとらえないとうまく説明できないといわれており、地球温暖化に対する深刻度、危険度は不確かである。台風・竜巻、更には地球温暖化自体も変化が激しいシステムである。

 地球温暖化の脅威は、既に公な機関が認めるものであり、大洪水・大旱魃の危機が叫ばれ、諸外国は既に大きな被害を受けている。日本もここにきて、ゲリラ豪雨に始まり、スーパー台風、ハイバーゲリラ豪雨、いままでに経験したことのない大雨などなど気象異常に対する新語が飛び交うようになってきた。甚大な被害もでている。温暖化が非常に危険な状態になっている可能性がある。

 温暖化は既に危険水域に入っていると推定されるので、多くの科学者が、地球温暖化をできたらメインテーマに、無理ならセカンドテーマとして取組むべきではないかと思う。

 私も微力ながらいろいろ考え、多くの人が考えるきっかけとなればと思う。

(つづく)

2012年7月10日火曜日

幾何学模様(4)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)(7)(6)(5)、(4)、(3)(2)(1)

r=sin2θ+cos2θ=1である。r=sinnθ+cosθ(n:正整数)とすればどうなるかという単純発想でnを変化させてみた。






以下の動画はnを変化させたr=|sinnθ|+|cosθ|である。 









n=1,2,3は変化が大きい。そのあとは、nが増えるにつれ、単純に図形が細まる。


最後のフレームに周囲長と面積を求める問題を載せてみた。

2012年6月28日木曜日

幾何学模様(3)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)(7)(6)(5)(4)、(3)、(2)(1)

幾何学模様を表現するのに、動画は欠かせない。ということで動画作成にチャレンジした。できるだけ簡単な例を探した。選んだ例題は、「一端をX軸におき、他端をY軸におく一定の長さの線が、それぞれの端をX軸、Y軸においたまま動く」というもの。一本の線を第一から第四象限に動かしていくとわかりやすいだろうが、初めての動画作成なので、より簡単にできる方法を選んだ。それで、今回は4本の線が第一、第二、第三、第四象限で同時に動く。動くだけなら模様にならない。動いた軌跡を残すことによって、模様ができる。
次が、私の最初の幾何学模様動画である。すこしきれいにみせるため、X軸もY軸も書いていない。







コマ数が少ないせいか、動くというイメージはでていない。でも幾何学模様を動画にすることができた。
一番外側の曲線(包絡線)は、アステロイド曲線と呼ばれる。星形とも言われる。

何事もするにも最初の山は高い。かなり躓いた。躓きながらなんとかできた。
次の手順で作成した。

  動画のコマとなる静止画を、パワーポイントで作成。1コマは1スライドに対応するように書く。ここまでは、PPTマクロを使った。スライドショーで出来具合を予想する。

ppt2010
にビデオ作成という機能がある。これを使ってみたら、パソコンがうなり始めた。スライド数は80枚以上、解像度はディフォールトの最大値。10分以上経過してビデオができていた。しかし、このビデオがやたらと遅い。これはものにならない。不必要なデータ処理をしていることは明白。

  データ量を減らす為、パワーポイントで作った図を「図として保存」した。

  インターネットで動画ソフトを検索。動画作成ソフトは、無料有料たくさんあるようであるが、無料で、かつ、少し馴染みのあるGooglePicasaにした。

作ったはずの図がPicasaで表示されていない。PPTのディフォールトの図保存がPNGファイルであり、これはPicasaのライブラリに表示されない。JPEGとして保存すると表示されるようになった。

  Picasaで動画を作成。この手の動画は2コマ/秒がよいようであるが、Picasaにはない。1コマ/秒とした。

インターネット情報に教えられるままPicasa以外にデータ圧縮するフリーソフトをダウンロードした。インターネット情報ではPicasaがデータ圧縮を要求するとのことであったが、最新のPicasaはデータ圧縮を要求してこない。

  Youtubeにアカウントを作成。(Youtube登録は今回が初めて。)

  動画をYoutubeにアップ。

Picasa
で動画を作ったあとYoutubeにアップするボタンがある。そのボタンを押しても失敗したというメッセージがでる。すこしずつなにかを変えながらで作った動画をYoutubeにアップするボタンを押す作業を繰り返したが。うまくいかない。
インターネットでYoutubeにアップできるのは、Google ChromeFirefox、・・、IEではアップできないと暗に言っている記述をみつける。Google ChromeつまりYoutubeにログインして、アップすればよいとわかる。

  アップした動画を埋め込んだ。




2012年6月22日金曜日

幾何学模様(2)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)(7)(6)(5)(4)(3)、(2)、(1)

ハート・マークがr=f(sinθ,cosθ)で表現できないか、検討してみた。ハート・マークができる条件は、まずはθ=0でr=0 および θ=90°でr=1 になること、次に 0<θ<45°で r<1になること、更に、45°<θ<90°でr>1になることであると考えた。

いろいろやってみたけど、比較的簡単な関数で実現できることがわかった。わかってみれば、なんだという感じである。結果的にいえば、θ=0でr=0 および θ=90°でr=1 になる最も簡単な関数は、sin θである。

0<θ<45°で r<1にするには、sinθに(1+sin θ*cos θ)を掛ければ、実現できる。θを0°から360°まで変えてrの値をプロットするのであるが、rが負になることは許されないので、sin θやcosθに絶対値をつけなければいけない。

現実にrをプロットするのはどうするか、rのx値とy値を求めればx-y座標にプロットできる。x値およびy値は、それぞれx=rcos θ、y= rsin θ で表わされる。最も簡単なrはr=1である。これは円になる。rは原点から(x,y)点までの距離である。

r=|sin θ|*(1+|sin θ* cos θ|でθを0°から360°まで変化させると2つのハート・マークができる。 r=|cosθ|*(1+|sin θ* cos θ| とすると角度を90°回転させたハート・マークが2つできる。



前回の経験で、θを nθ/2とすれば、n個のハート・マークができると予想される。現実にnを変えていくとn個のハート・マークができた。


 
r=|sin θ|*(1+|sin θ* cos θ|r=|cosθ|*(1+|sin θ* cos θ|)を重ね合わせてみた。
ここではr=|sin θ|*(1+|sin θ* cos θ|のほうは白で不透明処理をした。



色付けをして、シェーディングをすれば、花弁(はなびら)のようにみせることもできる。|sin θ* cos θ|の前に係数をかければ、ハートの形を変えることができる。

以前、ハリウッドにおいてC Gの世界でリーダとして活躍している日本人の若者を紹介していた。彼は日本から何冊もの数学の本を取り寄せていた。既にアートの世界では数学は大きな位置を占めていると予想される。

物理と数学はお互いが切磋琢磨してきた。いずれアートが数学の進展を促すかもしれない。

サイエンス・アートは、今はまだ娯楽の世界かもしれないが、教育の世界に展開されれば効果が大きい。 いろんな分野の数学や科学に対する理解を早めることができる。カバーする分野を広げることができる。なによりも数学や科学に対する興味を引き出すことができる。

芸術的なセンスのある人は、サイエンス・アートからいろんなインスピレーションを得るであろう。いろんな分野の芸術家がサイエンス・アートから得たインスピレーションを発展させれば、芸術は深まる。アートが数学の進展を促すようなことがおきれば、芸術の枠組みは大きく広がるだろう。

r=f(sinθ,cosθ)は組み合わせが膨大である。無限と言ってよい。まだまだ誰も検討していなくて、興味深い組み合わせがあるはずである。

r=f(θ)に一般化すると更に、世界が広がる。3次元に拡張すれば、未知の分野が数多く存在するのではなかろうか。

2012年6月16日土曜日

幾何学模様(1)

幾何学模様
(18)(17)(16)(15)(14)(13)(12)(11)(10)(9)(8)(7)(6)(5)(4)(3)(2)、(1)

どうやって幾何学模様を描いているか、次図で簡単に説明する。
 先ず、r=f(θ)を考える。最も簡単なのはr=1である。これは円になる。
θを決めるとが求まる。次にθを変えて、を求める。を線でつないでいく。通常、最初θ=0でを求める。以降1度づつθを大きくしてrを求め、これらをつないで幾何学模様を作る。


前回は r=sinθ| および r=cosθ|のパターンを紹介した。

今回は、r=cos(nθ/m)|のnとmを変化させたパターンを示す。
先ず、m=2として、n1,2,3・・・と変化させる。


 この場合、r=1の円に接する点が、1,2,3・・・と増えていっている。


  
n角形は、(n)-gonと言われる。ペンタゴンやヘキサゴンはよく聞く。
n面体は、(n)-hedron 
今回のような場合は、(n)-gramと呼ばれる。ちなみに 1はmono、2はdiもしくはbi、3はtri、4はtetra、5はpenta、6はhexa、7はhepta、8はocta、9はnona、10はdecaである。

m=2の場合は、このように規則的であるが、mが3以上になると様々なパターンを示す。
次図で、ほんの一部を示す。


探せば、規則的なものがいろいろあるであろうが、すぐ目についたのは、分子が1で、分母が1,3,5・・・と続く場合と同じく分子が1で分母が2,4,6・・・と続く場合である。



r=f(sinθ,cosθ)は私が予想した以上に奥が深い。


2012年6月14日木曜日

ppt2010マクロ(1)

PPTマクロ(6)、PPTマクロでつくったもの2
PPTマクロ(5)、PPTマクロでつくったもの1
PPTマクロ(4)、マクロで四角形や楕円などを描く
PPTマクロ(3)、マクロで直線を描く
PPTマクロ(2)、マクロを有効化する
PPTマクロ(1)、マクロ作成の動機

PPTマクロ(1)、マクロ作成の動機


 パソコンを手にしたときから、マクロをしようと思ったが、今まで20年以上も手がつかなかった。マクロで何をするの?という具体的なアイディアがなかったのが、長年、手がつかなかった一番の理由であろう。

 今回マクロを始めた切っ掛けは二つある。一つ目は先輩がエクセルのマクロは、簡単だとおっしゃる。パワーポイントのマクロは?と聞くと、エクセルと比較してもっと簡単なはずだといわれる。私は彼より10歳以上も若い。もう一つの切っ掛けは、机の中のセルロイド製分度器である。パワーポイントで、任意の角度を設定して、円弧が描ければ、この分度器は要らない、捨てられると思った。

 早速、パワーポイント・マクロの本を買いに行った。エクセルのマクロは山と積まれているのにない。パワーポイントのマクロの本は売られていない。マクロ記録があれば、なんとか手がつけられるだろうと思ったが、パワーポイント2010ではマクロ記録がなくなっている。パワーポイント2003にはマクロ記録があるとのことであるが、パワーポイント2003の入ったパソコンは1年前に壊れてしまっている。でもなんとか始めることができた。どうしたのかは、次回以降のブログで書く。次図は、最初の成果である。


 なんということはないただの円弧である。でも、これを作ったら、いろんなアイディアが次から次へと浮かんできた。長年、マクロを使う具体例が思い浮かばなかったのに、マクロでプルグラムができると実感した途端に嘘のようにアイディアが溢れ出てきた。中学・高校数学を使った作図である。今の段階でかなりの作図ができた。これから少しずつ紹介していく。

 一例として r=|sin θ| および r=|cos θ|を示す。


(つづく)

その他、シリーズも書いています。 ブログ「dousube」検索画面より検索下さい。

2011年7月26日火曜日

日本人論1-讃えられる”GAMAN”と悪用される我慢

 昨年11月、NHKのクローズアップ現代で、アメリカのスミソニアン博物館で “The Art of Gaman”と名付けられた工芸品の展示が行なわれているという紹介があった。

 戦争を知らない日系人が自宅の納屋や倉庫に見事な工芸細工品があるのを見つけた。自分のうちだけではなかった。多くの日系人の納屋や倉庫にいくつもの工芸細工品が埋もれていた。

 第2次世界大戦の発端となった日本軍の真珠湾攻撃は、アメリカ社会に激しい反日感情を引き起こした。日系人は、内陸部の砂漠に強制的に連行され、柵で囲まれた収容所に収監された。

 収容所では日系人は自給自足を強いられた。全てが不自由で逃げ出せば射殺された。いつ終わるともわからない日々をじっと耐え、多くの日系人が、いつとはなしに、つらさを、工芸細工品を作ることに昇華させていた。限られた道具、限られた材料で、こみいった見事な美術作品が作られた。

 戦後生まれの日系人が納屋や倉庫で見つけたものは、自分たちの親達が作っていたものだった。それは集められ、いつしか日系人を排斥した人々の知ることになった。これらは、世界中の人が訪れるスミソニアン博物館で、The Art of GAMANというタイトルで展示された。粗末な材料と道具から作られたとは信じられない作品は、訪れる人々に日本人の辛抱強さ、忍耐、そして精神性の高さを充分に印象付けるものであった。

 今回の東日本大震災で、日本人の我慢強さや忍耐、秩序正しさなどが世界的に賞賛された。”GAMAN”はいまや国際語になりつつある。

 日本人の我慢強さは、どこからきたのだろうか。日本の気候に関係しているのではないかと思う。赤道直下の暑さと北の寒さが狭い日本に凝縮されている。インド人もびっくりする暑さ、北欧に劣らない雪の厚さ、これ程の暑さと寒さがわずか長さ2000kmの狭い国土に詰まっている。このようなところは世界中どこにもない。

 DNA解析によって推察される日本人の祖先は、シベリアの更に西の数千キロ先と言われている。風俗的にはブータンや中国の雲南省と非常によく似ている。日本人は北からも南からも数千キロにわたって長い道のりを歩いて大陸の東の端にたどりついた。追われるようにたどりついたのか、新天地を求めて、積極的にたどりついたのか、知るよしもない。いずれにしても日本人の忍耐強さや辛抱強さは長い道のりによって育てられ、厳しい天候によって鍛えられるなど、非常に遠い過去から刻みこまれたものだろう。

 日本人の〝GAMAN″は、メリットだけだろうか。日本人の我慢強さは、日本独特の社会を構成し、それは必ずしも優れているとは言えない。

 日本人の我慢強さ、忍耐強さを一番よくして知っているのが、日本人である。日本人は、無意識に、日本人の我慢強くて、忍耐強い性質を知っており、そしてそれを無意識に利用している。

 それが顕著に表れるのが、会社の上司と部下である。上司は、部下に難しい仕事をなんとかしろといって押し付ける。係長、課長、部長、役員、社長と偉くなるにつれて、なんとかしろと押し付ける傾向が強くなるケースもある。その逆に上の指示は下にいくほど増幅されて厳しくなるという説もある。〝叱ってなんぼ、叱られてなんぼ″という言葉がある。〝無理難題をなんとかするのがサラリーマン″という言葉も聞いたことがある。

 私はいつもなんとかするほうでなんとかしろという立場ではありませんという人も状況が変われば豹変する。
 外注をする場合、納入業者に価格と納期で無理難題と思われる要求をする。複数部門で仕事をする場合、後ろ工程に対して、平気で納期を遅らせる。ソフト開発者に対して、既にソフト開発がスタートしているのに、あとからあとから仕様変更をする。いずれも受ける側はたまったものではない。あまり意識することなく受ける側の忍耐と頑張りを期待している。自分が受けている無理難題を、違ったかたちで、違った人たちに押し付けている。

 無理難題を処理するほうは、試行錯誤で忍耐と頑張りで、なんとかクリアするが、疲労困憊で効率は悪い。

 現場レベルでは、こうした環境は現場力の強化につながっているかもしれない。問題は上下関係であろう。年貢を厳しくとりたてるお代官と年貢を取り立てられる百姓の関係である。お代官と百姓の時代から、日本人は、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んできた。というより、ずっと昔から持っている生来の忍耐強さを、お代官様も利用したのだろう。

 太平洋戦争では「日本陸軍は教科書通りのことしかやらない。どうしてあんなばかな司令官や参謀たちのいる軍隊が大崩壊しなかったのか。兵隊や下士官が信じがたいほど強かったからだろう」とイギリス人参謀が言った(司馬遼太郎『昭和という国家』)とのこと。日本軍の参謀たちも兵隊や下士官の忍耐強さや頑張りを利用することばかりに頭を使ったのだろう。

 今回の大震災で確認できたことは、「日本のボトム力のすごさ」と「政府や東電本社などトップ層のだらしなさ」であろう。

 電気や携帯機器メーカーは、優れた技術を持ちながらガラパゴス化していく、折角の技術がいとも簡単に流出していく。銀行や証券も優秀な人材が集まっているはずなのに、M&Aや大きな国際案件で外資系に全く歯がたたない。

 一般に下が頑張るから上が育たないとも言われている。世界的にも日本人の現場力のすごさと企業や政府などのマネジメントのまずさが通説になりつつある。

 何がまずくてどうすれば、よいのだろうか。日本が成長していくために、多くの人が考えなければならないテーマだと思う。どうなっていて、どうすべきか私も次回のブログで考えてみたい。

日本人論2-頑張るボトムとダメトップ

2011年6月30日木曜日

まともなエネルギー政策を

 危機管理および安全保障は国の最大の仕事である。将来想定される危機に対して、危機が起きないように、輸送面、技術面、経済面など様々な角度から検討し、長期的にも短期的にも適切な対策を施し、安全を保障する。このような国家の重要事項は、国民は方針や概略を知っていて、政党が変わっても大きく変わらないというのが本来の姿ではなかろうか。行わなければいけない危機管理、安全保障はいくつかあるが、エネルギーもそのなかの一つである。
 今回の原発事故で、国は電気エネルギーを極端に原発に頼ろうとしていたことを、国民が広く知ることになった。民主党が採った方策は、自民党も吃驚するほどの原発依存であった。
 本来なら、今回の福島原発事故を受けて、長期と短期にわたってエネルギー政策が再検討され、変更が公表されるべきである。が、政府の方針がはっきりしない。はっきりしないというより、再検討もされず、変更する気もない。
 日本の電力エネルギーは、国の保護のもと、一つの地域に一つの電力会社のみが存在し、電力の安定供給を行ってきた。国と電力会社が一体となり、一面では高度成長を支えてきた。しかしながら、政治家と官僚、電力会社の三つ巴の電力利権構造は強固になり、その強固ぶりは「鉄の三角形」といわれている。各国が地球温暖化対策やエネルギー自給率の向上に再生可能エネルギー比率を高めてくるなか、日本は電力利権構造に変更を迫る再生可能エネルギーの普及に消極的で、ことあるごとにその芽を摘み取ってきた。太陽電池が普及しそうになると補助を打ち切り、風力発電が伸びかければ、規制を強化した。
 電力に関する既得権益が如何に強固であるか、もと官僚の岸さんというかたが、TVタックルで話された。電力会社の傘下には、たくさんの企業がぶらさがっている。半国営の電力会社は値切ることをしらない。製品を納める企業からみれば、これ程有難い納入先はない。従って、電力会社は多くの「票」を持つ。多くの票と多額のお金が政治家にわたる。政治家と官僚は、電力会社を守るための法律を作り、電力会社に補助金を渡す。官僚は、多くの天下りポストを得る。
 地球温暖化対策では、再生可能エネルギーの強化、発電送電分離、スマートグリッド技術などが必要であるが、既得権益者は既得権益の保護を第一優先とし、変化を忌み嫌った。岸さんによれば、スマートグリッドという言葉を出すだけで東京電力は露骨に嫌な顔をして、そんなことをすれば、大臣の首が飛ぶよと脅していたそうである。結局、自分たちの権益保護と地球温暖化対策を兼ねる原発への大幅傾斜を決めた。エネルギー安全保障の観点から一つのエネルギー源に集中させるような国はどこにもない。異論を唱える人も反対する人も少なかった。危機意識の欠如は、日本全体を覆う平和ボケ、高度成長ボケのなせるわざであろう。
 今回の福島原発事故は、日本における電力エネルギー政策の横面を思い切り引張たいた。日本だけではない。世界的にブームになりかけていた原発開発に水を差し、ドイツ、スイス、イタリアは、「脱原発」を明確にした。温暖化対策に積極的でないと日本では言われている中国や米国ですら、再生可能エネルギーの急速な普及を図っている。更なる温暖化対策と経済発展の両立に、原発を進めようとしている。
 原発推進を明確にしているアメリカ、フランス、イギリス、中国、これらの国では危機意識と危機管理知識・能力を持ち合わせている。万全でないとしても日本よりはるかに優れている。中国は強烈な危機意識とえげつないと思えるほどの危機対策意欲を持つ。
 日本に住むアメリカ人が、どこかの番組で、アメリカの子供のほうが、日本の総理より、危機意識と危機管理知識を持っていると言っていたが、笑えない現実だと思う。
 このままいけば、電力エネルギー政策のすべてを握る政治家、官僚、電力会社が既得権益にしがみつき、エネルギー政策や方針を何も変えず、ほとぼりがさめるのを待って、現状の原発政策を強引に推し進めるのではなかろうか。
  
 長期的なエネルギー政策はどうあるべきであろうか。
2050年CO2排出削減80%は、国際的な合意事項である。いつどこで、大きな地震や津波が襲ってくるかもしれない国土に、危機対策に無能な政治家が君臨する日本では、原発はありえない。全面的に再生可能エネルギーへ移行すべきある。再生可能エネルギーへ移行すると、国際紛争の種である資源問題も、地球温暖化や大気汚染などの環境問題もクリアする。放射線被害や原発へのテロ攻撃を心配する必要もない。
 長期的なエネルギー政策として、ある時期に原発を全廃し、再生可能エネルギーを主力にすることを明確にすべきである。
 
 短期政策を考える前に、現状をみてみる。現行法律では、原発は13ヶ月以内の定期点検が必要であり、再開には知事の合意が必要である。現実的には、地元住民の合意も必要であろう。地元の合意が得られないとすれば原発は来年の5月に全廃になる。そしていま、節電ムード一色である。これでは、ますます日本経済全体が活性化を失い、沈んでしまう。
 経済産業省大臣が、原発の再稼働へ向けて、佐賀県にお願いにいっている。これでは、エネルギー政策は全く変わらない。既得権益者を保護する今迄通りの原発と化石燃料を主体としたエネルギーになる。現に、国際社会へ日本のCO2排出が今後増えると公表しようとしている。これではあまりに無策である。
 
 短期政策は、長期政策を睨みながら、現実的な対応になる。CO2排出削減に向けて、化石燃料技術も頑張っている。石炭火力発電における二酸化炭素の貯留・保存技術(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)や天然ガスを用いてガスタービンで発電し、その廃熱で蒸気タービンを回して発電するガスタービン複合発電(GTCC: Gas Turbine Combined Cycle )、石炭をガス化し、ガスタービン複合発電を行う石炭ガス化複合発電(ICGCC: Integrated Coal Gasification Combined Cycle)などの技術がある。
 今回の電力会社の節電要請に対し、CO2排出が石炭より少ないとされるガスタービンによる自家発電を検討している民間企業があり、太陽光発電や風力発電を導入しようとしている一般家庭がある。
 企業におけるガスタービンによる分散電源、企業と一般家庭における再生可能エネルギーの普及を促進する法整備が必要である。
 現在、実質的に発電と送電を電力会社が一手に握っている。発電は一般業者が参入できるようになっているが、一般業者の送電使用料金が高いため、発電を行う一般業者の業績が伸びず、依然として電力会社の独占状況にある。このことから、発電・送電分離がいわれている。分離すると一般業者も安い送電料で送電ができることから、まずこの発電・送電分離を行う必要がある。送電も自由化すべきであろう。送電は送電と配電とに分けて、いずれ両方とも自由化する。まずは配電の自由化が望ましいと考える。
 一般家庭の太陽電池には、余剰電力買い取り制度がある。これをヨーロッパ並みに企業の発電も含めて、すべての再生可能エネルギーに拡大し、全量買い取りにすべきといわれている。孫正義さんなどは、余剰電力の買い取り期間が現在の10年では短い。全量買い取り制度にして、期間を20年にして買い取り価格も、以前の余剰買い取り価格の48円/kWhに戻すべきと主張している。現在は42円/kWhである。
 現状の法律は、一見、再生可能エネルギーを推進しているように見せて、実に様々な制限をつけて、再生可能エネルギーの推進を骨抜きしている。いつもの官僚の自己権益を守るための涙ぐましい努力の賜物である。
 
 政府は、時期を明確にして、原発全廃を宣言すべきと考える。そうしないと何も変わらない。将来は全廃するとしても、当面、原発は必要とするというような表現では、変化が生まれない。何も変わらない。
 原発全廃時期は、ドイツのように10年先では無理があるとしても、40年先では間延びする。「2030年までに原発全廃と再生可能エネルギー大幅移行」を宣言し、関連法案を整備するというのはどうだろう。再生可能エネルギーの普及を手ぐすねをひいて、待っている企業はたくさんある。
 小さなエネルギーをこつこつ積み上げていく再生可能エネルギーも、不安定なエネルギーをきめ細かく平準化させて使うスマートグリッドも日本人にあっている。大きな雇用創出につながるし、地方活性化の切り札でもある。
 再生可能エネルギーの研究で日本は先端を走ってきた。政府は普及の努力はしなかったが、研究開発段階では予算をつけてきた。
 再生可能エネルギーの種類は実に豊富である。よく知られている太陽光発電や風力発電、地熱発電以外にも太陽熱発電、潮力発電、波力発電、マイクロ水力発電、温度差発電、塩の濃度差発電など多種多様である。バイオ発電もいろいろある。ごみ発電に、糞尿発電、間伐材からつくるチップ発電などがある。日本での再生可能エネルギーの普及は電力利権構造が強いため、世界にかなり出遅れている。全量買い取り制度などの法改正や規制緩和などで再生可能エネルギーの普及にトリガーがかかれば、かなりの速度で日本は変わっていくと予想される。
 つなぎのエネルギーとしては、比較的CO2の排出量の少ない前述のガスタービン複合発電や石炭ガス化複合発電などが有望である。

 日本近海にはメタンハイドレードという化石燃料が多量に埋まっている。つなぎのエネルギー源として、この活用も考えるべきではなかろうか。このガスでガスタービン複合発電であれば、CO2排出もある程度抑制できるのではなかろうか。
 無駄の削減による無理のない節電やLEDに代表される省エネ技術も有効である。
 様々な手を打って、それでも電力がどうしても足りないということであれば、期限を限定して原発も止む無しとなるであろう。そのときは、将来の地震強度予想や原発の老朽度などから判断して、安全性の高い原発だけを再稼働することになるだろう。
 
 今回の福島原発事故は、誠に不幸な出来事であるが、これを契機に電力会社による独占支配と利権構造が崩壊し、再生可能エネルギーが普及することを祈って止まない。
 福島原発事故は世界を震撼させた事件であるにもかかわらず、政治家、官僚、電力会社からなる電力利権の「鉄の三角形」は、相当に強固であり、変わる気配がない。
 しかし、変わらなければ、再生可能エネルギービジネスは世界中で急拡大しており、この最大のビジネスチャンスを失うことになる。
 
 戦後、マッカーサーが日本人の精神年齢は12歳以下だと馬鹿にしたそうである。今、一般のアメリカ人から日本の総理の危機意識、危機管理知識はアメリカの子供以下だと馬鹿にされ、それに納得する我々がいる。利権亡者で、政争にのみ明け暮れする政治家に危機管理や将来ヴィジョン、まともなエネルギー政策を期待するのは、どだい無理があるのかもしれない。
 地球温暖化対策では、政府のかなり先をいく、多くの自治体がある。多くの企業が新しい時代へ向けて、様々な準備をしている。そして多くの国民が自分の意見が言えるネット時代がきている。時間がかかるかもしれないが、国民一人一人が自治体や企業、NPOやボランティア団体などを通して、ボトムアップ的に政治のレベルアップを図っていく必要があるのではなかろうか。

2011年6月14日火曜日

東日本復興ビジョン案(5)

5.次世代社会の先取り=東日本復興ビジョン 

いままで
東日本復興ビジョン案に向けて(1)提案をする意義 
東日本復興ビジョン案に向けて(2)危機的状態にある世界・人類文明 
東日本復興ビジョン案に向けて(3)危機脱出に向けたうねり=次世代社会の模索 
東日本復興ビジョン案に向けて(4)新旧社会の対比でみる各国の動き、日本の動き 

今回
1)温暖化に鈍感な日本人、温暖化ビジネスで大敗 
2)自然再生の重要性 
3)復興ビジョン=次世代社会の先取り+広領域な経済特区 
3-1)再生可能エネルギーによるエネルギー自給+工場誘致 
3-2)自然再生→安心安全を提供する農林水産業→食料自給率向上 
3-3)動脈・静脈バランス社会 
3-4)復興ビジョン実現にむけた復興手順 

1)温暖化に鈍感な日本人、温暖化対策ビジネスで大敗 
 地球温暖化対策の国際会議において、米国も中国も温暖化ガスの排出削減目標に堅く口を閉ざす。しかし、両国とも温暖化対策のキーテクノロジーである再生可能エネルギーの開発・普及に余念がない。一方、日本は、国際会議で、温暖化ガスの排出削減目標を口にするものの、政治家のパフォーマンスに過ぎず、再生可能エネルギーの普及は微々たるもので、電力エネルギーの約1%にしか過ぎない。
 地球の将来をみたとき、地球温暖化が破滅的であることは、ほぼ世界の常識である。国際会議では、それを知った上で、経済成長も無視できないとして、自国の利益をかけて丁々発止の駆け引きが行われる。そこに、温暖化の危険性を理解もしておらず、危機感も持たない日本の政治家が、しゃしゃりでて何の定見もなく、ぺらぺらとしゃべる。
 温暖化に対して、危機感のない日本は、世界の動向が見えておらず、個別企業が頑張っているとは言え、大きなビジネスチャンスを逃してきた。せっかくの大きな内需を失っている。中国・台湾・韓国の太陽電池メーカーが日本で既に販売を開始した。従来の電気製品ではあり得なかったことではないか。世界と危機感を共有できない日本は、世界の迷惑である。そして、日本は自分自身で経済チャンスの芽を潰している。
 温暖化は、大洪水や旱魃を引きおこしていることから各国の食料自給率の向上も必要としている。

2)自然再生の重要性
 地球温暖化対策は、温暖化ガスの排出削減だけでは不十分である。主たる温暖化ガスである二酸化炭素を大気から減らさなければならない。光合成で二酸化炭素を吸収する緑の増大、つまり、自然再生が必要である。山頂の水源林から、河川・海と流域全体で自然再生を行う。自然再生は、遠回りのように見えて、特に農薬、化学肥料(石油製品)を使わない農業に、育てる漁業に、ひいては食糧自給率向上に非常に重要である。自然再生が生物多様性に重要なのはいうまでもない。今後、日本ではゲリラ豪雨による洪水被害の増大が予想される。災害対策にも自然再生が必要である。斜面の急な杉や檜の植林は、根こそぎやられる。ダムは、自然の破壊者である。大洪水の場合のダムの決壊は被害を大きくする。洪水がなくともダムは直ぐに土砂に埋まり、その役割は短期間で急減する。老朽化すれば、逆に危険になる。今後予想される大洪水は正面から止められない、昔々の信玄堤や吉野堰のようにいなすのである。ちなみにダムによる水力発電は、世界的にクリーンエネルギーとはみなされていない。
 
3)復興ビジョン=次世代社会の先取り+広領域な経済特区 
 今回の福島原発事故で、いつ終わるとも予測のつかない被害を受けて、日本人は原発の危険性を知った。使用済み核燃料は、行き場がないことも知ってしまった。
 世界は、持続可能で、真に安心・安全な世界へ向けて、急転回しようとしている。逆に言えば、破滅的な危機が急接近してきていると言える。
 このようななか、被災地は、
 「持続可能な、真に安心・安全な次世代社会を世界に先駆けて実現する」
という大きな復興ビジョンで邁進すべきではなかろうか。
 世界が推進するエコシティー、スマートシティの大型版・発展版である。地域も被災地域だけではない、被災県全領域とする。そして、3県全領域を、従来、法律にとらわれない経済特区とする。様々な既得権も振り出しにもどす。

3-1)再生可能エネルギーによるエネルギー自給+工場誘致 
 先ずは、現在日本のかかえる危険な原発を、世界が懸念する温暖化危機を解消に導く、再生可能エネルギーの自給を目指す。さらには、太陽光発電に、地熱発電、マイクロ水力発電、洋上風力発電、瓦礫材・廃材・不要な間伐材利用のバイオマス発電などをあわせ、クリーンな再生可能エネルギーを謳い文句とした工場誘致を行う。誘致される工場はゼロエミションを約束できなければいけない。再生可能エネルギーの装置を作る工場であればもっとよい。日本の一日も早い原発削減に寄与できればすばらしい。地域全体は、もちろん、スマート・グリッド、スマート・エナジー最前線である。

3-2)自然再生→安心安全を提供する農林水産業→食料自給率向上 
 次は、自然再生をベースとした農林水産業の活性化による木材、食料の国内自給率向上。CO2の吸収を増加させるために、必要な水源林を確保するために、山津波や土砂崩れを防ぐ治水を行うために、森林整備を行う。
 放置されて、荒れた山林に、適切な間伐を行い、光を通し、風を通すと山は生き返るという。地中のバクテリアは増加し、林間には多種多様の昆虫や小動物が蘇る。木々は、地中からバクテリアが分解した豊富な栄養素を、大気中からたくさんのCO2を吸収し、大きく成長する。地中には、大量に水を蓄え、大気には沢山の水蒸気を放出する。豊かな森は、大気、河川、海の間を行き来する水循環を安定させる。一緒になって流れるバクテリアや植物プランクトンは、水を清浄化し、畠や海に栄養をもたらし、各種生き物を育む。いくら科学が発展しても、結局は自然の恵みで、我々は生かされており、豊かな自然は次世代社会の基本的なベースである。森林から、里山、河川、海へと自然再生を広げていけば、日本の林業復活、農薬・化学肥料を使わない、食べて安心・安全な農業促進、育てる漁業促進につながる。日本全体の農林水産業の模範となり、就労人口が大幅に減り、ガタガタになった日本の農林水産業が復活すれば、日本全体の食料、木材の自給につながっていく。

3-3)動脈・静脈バランス社会 
 現在社会は、ものをどんどん生産し、消費し、どんどん捨てる。おかげで世界中のゴミは増える一方で、多くの国がその処理に頭を悩ましている。動脈過剰で、静脈機能に欠けた社会である。日本各地で3R(リサイクル、リユース、リデュース)運動が行われているが、まだ端緒についたに過ぎない。現在、被災地は、瓦礫が山積みになっている。これらはエネルギー源、都市鉱山ともとれる。次世代社会では、あらゆるゴミは、生産資源、もしくは、エネルギー源になる。燃えるゴミは、発電機能付き焼却炉で処理される。糞尿はバイオ燃料である。食品ゴミはバイオ燃料か、肥料に化ける。金属類のゴミは、都市鉱山として使われる。全く再利用できないものは、いずれ淘汰されて、最初から作られなくなる。
 まずは、震災を逃れることができた周辺の市町村に発電機能付きゴミ焼却施設を作っていったらどうだろうか。

3-4)復興ビジョン実現にむけた復興手順 
  1. 復興ビジョン(=次第社会先取り)を国内に衆知させるとともに具体策は震災地をはじめ、広く英知を集める
  2. 被震災県の全体を経済特区とする
  3. 国の権限をできるだけ被震災県に渡し、復興ビジョン実現を迅速化させる。
    県は必要に応じて、市町村に権限を移す。但し、単なる個人的エゴや特定団体エゴは厳しく排除する
  4. 国は必要財源を確保する。
    無利子国債、赤字国債、増税、増札(単にお金を刷る)などが言われているが、増税は、経済を不活性化させるのでまずいのでは。
    経済は、誰もわからないほど、複雑といわれる一方で、+-の単純世界ともいわれている。自然災害で失われた損害額分、単純にお金を刷ってもよいのではないだろうか。日本経済、世界経済にも影響を与えないのではなかろうか。もし、お金の世界と物の世界は違う、刷ったお金は、結局は、だぶつくといわれるのであれば、刷った分のお金は復興したときに、燃やしてしまえばよいのではなかろうか。
  5. 県は、国の復興ビジョンを受け、被災地のみならず県の復興に向けて、復興ビジョンの具体案を作る。山頂から海まで、県全体を次世代社会に変えてしまう。
  6. 震災被害地自身の町作りは、どうするのか。広くアイディアを募ればよいが、まずは、
    • できるだけ住居は作らない。学校、市役所など市民生活に欠かせない公共施設は作らない。これら住居、学校、病院は高台につくる。
    • 被災地には、農場、海産品加工場、工場、さらには再生可能エネルギー生産場などにする
    • 被災地の道路は、整備しなおして、以前よりは、広くして、避難道路を兼ねるようにする。
    • 津波の防波堤は作らない。海岸線は、できるだけ自然のままに残すようにして、不必要にコンクリートで固めない。
      など


 いずれにしても、日銀に刷って貰ってでも、早くお金を用意して、雇用を確保して、被害者の不安を取り除く必要がある。次世代社会を目指せば、いくらでも仕事はある。これにそって、雇用を創出し、被災者の雇用を確保する。集落単位で雇用が提供できれば、ベターである。継続的な雇用か、一時的な雇用(時期をみて、もとの仕事に帰る)かは、被災者の希望にそう。雇用に応じて、住居を用意する。


 政府は、自ら陣頭指揮をすることを目指すのではなく、方針やビジョンを明確にしたあとは、現場が動きやすいように、環境作りに専念すべきではなかろうか。
 ビジョン策定後は、復興費の捻出、規制緩和に向けた経済特区作り。その後は、自治体への権限委譲や、全国から支援のしやすい法律改定などが考えられる。復興経済が順調にすすむような仕組み作りも必要になろう。
 もし、政府の動きが悪い場合は、被災自治体、被災者、復興支援をする各団体・個人もどんどん積極的に動き、中央集権的な権限をどんどん奪っていくべきではなかろうか。そして、不適切な、理不尽な種々の規制緩和を撤廃させていくべきではなかろうか。
 テレビや新聞メディアは、不毛な政局争いの報道はやめて、まともな議論ができるコメンテーターを集めて、今後どうすべきか、まとめあげていったらどうだろうか。科学や法律などもっと調べて、啓蒙的な役割をもっと推進したらどうだろうか。
以上

2011年6月9日木曜日

東日本復興ビジョン案に向けて(4)

4.新旧社会の対比でみる各国の動き、日本の動き 

東日本復興ビジョン案に向けて(1)はここ。 
東日本復興ビジョン案に向けて(2)はここ
東日本復興ビジョン案に向けて(3)はここ

 世界は、経済第一という点で、モノトーン化してきたようにみえる。各国ともGDPが増大していれば安心し、GDPが停滞もしくは減退していれば、非常に不安がる。経済成長のためならば、少々の不具合や齟齬は許されてしまう。なりふりをかまわない経済成長第一主義のように見える。
 一方で、世界は、地球温暖化や自然破壊、さらには化学物質汚染や人口爆発などを破滅的な危機と捕らえ、持続可能な社会へ向けて、変貌しようとしている。
 このような二つの流れの中で、各国はどのように動こうとしているのか、かなりの温度差が見られる。
 ヨーロッパは、温暖化に、かなりの危機感を持っている。現実の猛暑、寒波、大洪水など温暖化被害を肌で強く感じているからであろう。「温暖化対策と経済成長の両立」を標榜している。再生可能エネルギーの全量買い取り制度や排出権取引制度などの温暖化対策も効を奏しており、太陽電池のQセルズや風力発電のヴェスタスなど急成長してきた。再生可能エネルギーの雇用を支える職業訓練も充実している。エコシティ、エコタウンの実証など盛んに行われている。ドイツなどは3R(Recycle、Reuse、Reduce)も進んでいるし、汚染化学物質規制もEU主導である。EUとして、複数の財政困難な国家を抱え、植民地時代のつけである移民問題などをかかえたりしているが、地球温暖化に対する危機感は相当なものがあり、国際社会を引っ張っていこうとする強い意志が感じられる。原発は、温暖化対策として位置づけが大きくなっていたが、福島の原発事故で、ドイツとスイスは原発廃止を決めた。

 米国は国策で温暖化対策としてグリーンニューディールやモーダルシフトを進めている。アルゴア元副大統領やアースポリシー研究所レスターブラウン所長などは、温暖化を非常に危機だとして積極的な啓蒙活動を行っている。現実に竜巻やハリケーンの巨大化、西海岸の山火事の頻発など温暖化被害は増大している。ビジネス界は、温暖化対策重視と軽視の真二つに割れている。対策推進派は、再生可能エネルギーを大きなビジネスチャンスとしてとらえ、積極的に事業展開を行っており、太陽光発電も風力発電も急速に普及している。スマートグリッドもIT技術が応用できるとのことで、グーグルなどIT企業が積極的に取り組んでいる。電気自動車の開発や普及にも積極的である。その一方で、経済成長第一主義者や石炭・石油ビジネス業界も黙ってはおらず相当な相克がある。原発は今後も継続するとのことであるが、米国では再生可能エネルギーの技術開発・普及が今後も加速度的に進むと予想される。

 中国は、国営資本主義でなりふりかまわない経済成長を邁進中である。環境汚染も相当にひどいと聞く。人権軽視、検閲強化など自由主義圏の世界からは考えられない振る舞いであり、覇権拡大意識も強烈である。南沙諸島、西沙諸島さらには尖閣列島の領土主張、インドを包囲する真珠の首飾り作戦などなど。世界中の資源あさりは衆知の事実である。将来の食糧不足に備えたアフリカ諸国での農地確保、片道切符での農夫の送付など、やりたい放題の感がする。  中国では北東地方の旱魃がひどく、新彊地区の氷河も目に見えて後退しているなど、温暖化被害も深刻化している。砂漠も拡大しており、数年で北京に押し寄せるのではないかと心配されている。このため、中国政府は植林をはじめとして自然回復にも積極的で、「緑の長城作戦」「退耕還林」「退耕還草」「季節的休牧」などを行っている。再生可能エネルギーにも積極的で太陽電池や風力発電が急速に普及している。太陽熱利用の温水もブームになっている。電気自動車の普及に向け、給電所が急ピッチで広がっている。エコシティの実証実験も積極的で日本を含む各国が技術提供や共同開発を行っている。都市鉱山も着々と進めている。次世代社会へ向けて中国も大きく動いている。中国の原発は、あれだけ広い土地がありながら地震多発地帯に建設されている。これは改善されると予想される。

 オーストラリアは、温暖化対策には必ずしも積極的ではなかったが、旱魃や山火事の頻発など温暖化被害が大きくなり、状況が一変した。温暖化対策が選挙戦の争点となり、温暖化対策推進派が勝利した。しかし、炭素税の導入に対しては、現段階で反対意見のほうが多いとか。ここでも温暖化対策と経済優先の押し合いがある。

 日本は、世界的にみて、温暖化に対して危機意識が非常に希薄である。世界的な意識調査ではほぼ80位と非常に低位である。温暖化対策の国際会議では、毎回、発言が後ろ向きであるとして、”化石賞”を貰っている。危機意識が低い第一理由は、なんといっても温暖化被害が他国と比べて軽微であるからであろう。被害は少ないといっても、九州産のコメは温暖化の影響で白濁化した。商品にならないということで品種改良がされ、既に改良品が出回っている。ミカンもサクランボも影響を受けている。農家だけではない、漁師が獲る魚はどんどん南方系になっている。専業の第一産業従事者が少ないので、声があまり聞こえてこないのだろう。
 ゲリラ豪雨被害で死者が増えても温暖化の危機意識を持たない。温暖化に対して、危機意識を持っていないから、京都議定書の遵守や排出権取引は、単にビジネスの障害にしか見えない。
 危機意識が薄い他の理由として、都合の悪いことは、見たくない、聞きたくない、考えたくないという国民性にあるとも言われている。

 日本は、高度成長の夢いまだ覚めやらずで、高度成長が続く中国、韓国を恨めしそうに眺めている。そして、夢よ、もう一度ということで、工業製品で稼ぎ、その他は輸入という旧態依然としたビジネスモデルに固執し、経済成長ばかり気にしている。高度成長ボケは、世界の次世代へ向けた取組が目には入っても、耳で聞いていても、思考に入らず、ましてや方針になっていない。過去の幻影を追っているだけである。
 資源は輸入が思うようにならないということで、少しはあわてているが、食料も木材も輸入できなくなるかもしれないということまで、考えられていない。

 日本の国際会議での温暖化ガス排出削減宣言は、国内外で、真剣さのない政治家の単なるパフォーマンスとしてしかとらえられていない。本来の持続可能社会つまり安全社会という一面を忘れている。CO2排出削減の世界へのつじつま合わせと経済成長のみを考慮して、スマートグリッドなどの新技術を使わない従来技術でできるという安易な発想で危険な原発に極端に頼ろうとしていた。今回の福島の事故で、原発の問題が浮かび上がってきた。使用済みの核燃料がたまりに溜まって、行き場がないことや日本が地震の巣であり、今後も事故の可能性が大きいこと、安全技術管理が不十分であることがわかってきた。ウラン資源も限りがある。エネルギーだって、いつも簡単に輸入できるとは限らない。石油をめぐって国際社会はいつもきな臭い。

 日本は従来型の経済第一主義一辺倒で、温暖化や食糧難など世界的な危機へ向けた取組が全く遅れている。日本での再生可能エネルギー普及は、たったの1%である。全くの出遅れである。大きな内需を失っている。そのせいで温暖化対策をビジネスチャンスとしてとらえた企業はしかたがないから、他の国の温暖化対策推進に便乗して頑張っている。輸出の増大ということで政府がはじめて後押しをする。非常に奇妙な構図と言わざるを得ない。

 危機は温暖化だけではない。食料も、木材も、エネルギーも、自然も危機である。対策は各国とも自然を涵養して、食料も、木材も、エネルギーもできるだけ自給して、持続可能にしていくことである。  日本は世界の危機を知り、東日本大震災の復興で次世代社会のありようを世界に先駆けて実現すべきではなかろうか。  漁師が山に木を植える運動の起点は、仙台の漁師である。岩手県葛巻町は再生可能エネルギーに注力し、電力の自給率は180%、エネルギー全体でも78%とのことである。最も難しいとされたリンゴの無農薬栽培に成功した木村秋則さんは青森県である。東北には、次世代の先鞭がある。もともと日本人は自然涵養で優れたDNAを持ち、3R精神に富んでいた。昔の日本人に立ち返り、東北大震災のあとに、一日も早く原発のない持続可能な次世代社会を実現して欲しいと思う。

次回 
5.次世代社会の先取り=東日本復興ビジョン

2011年5月31日火曜日

東日本復興ビジョン案に向けて(3)


3.危機脱出に向けたうねり=次世代社会の模索

 前々回はここ。 前回はここ

 現代文明は、豊かさや便利さを手にした反面、自然を破壊し、有害物質を陸空海にばらまき、二酸化炭素を大量に空中に放出し、地球を温暖化させている。有害物質は、深刻な健康被害を引きおこし、遺伝子まで変えてしまう。自然破壊や地球温暖化は、食物連鎖の底辺である植物プランクトンから身近な食料にまで被害を与え、世界的な食糧不足を引きおこす。古代文明が、自然破壊から食糧不足になり、滅んだように、現代文明も食糧不足になれば滅ぶと予想されている。

 地球の温暖化が進み、みんながこれは危ないと思ったときは、もう手遅れである。その時は、地球の熱暴走が止まらなくなっている。どんな手を使っても熱暴走を止めることができない。ほとんどの生物は、死に絶えてしまう。

 多くの日本人は、ほとんどの日本人は、このような危機感を持っていない。悲しくなるほど、無頓着である。しかし、世界をみれば、このような危機感が、世界を根底から変えようとしている。
 破滅にむかう文明を、どのように持続可能な文明に変えていこうとしているのか。どのように変わってきているのか。

 温暖化ガス排出削減に向け、太陽光発電、風力発電などが急速に普及しており、それ以外にも様々な再生可能エネルギーが開発されている。再生可能エネルギーは温暖化ガスを排出しないのみならず、有害物質を排出しない。クリーンである。しかしながら、太陽光発電も風力発電も天候などの自然状況に左右され、作り出される電気は不安定である。不安定な電気を使いこなしていくために、スマートグリッドと呼ばれる技術が開発されている。スマートグリッド技術で、場所的な電気のふらつきを、また、時間的な電気のふらつきを、抑えようとしているのである。

 電気自動車は、未だ少ないとは言え、走り始めている。電気自動車に必要な電気を全部石油で作ったとしても電気自動車の方がガソリン車より、CO2排出が少ない。電気自動車の先をいく水素燃料電池車も開発されている。

 これら一連の地球温暖化防止策は、破滅型の文明から、持続可能な文明へ変わっていく重要な流れであり、低炭素革命と一般に言われている。社会の根本的な変革であり、まさに革命である。産業革命は、ダーティ革命であったが、低炭素革命はクリーン革命である。クリーン革命でなければいけない。原発はCO2を出さなくとも、人々を恐怖に陥れる放射線をだす危険性が大きく、クリーンではない。ダムは、原発と比較して、罪は少ないが、自然システムを大きく破壊することから、世界的にクリーンとはみなされていない。

 革命はこれだけではない。生産過多でゴミと汚染が溜まりやすい、いままでの静脈不足、腎臓不全の社会から動脈、静脈バランス社会へ脱出する3R(Recycle、Reuse、Reduce)革命も進展しつつある。低炭素と3Rを組み合わせたエコシティもしくはスマートシティ、さらには、自家用車より公共交通機関を重視するというモーダルシフトをも組み入れたコンパクトシティの実験が世界各地で行われている。都市鉱山に目を向けた資源革命も言及されている。ヨーロッパ発の有害化学物質を自己規制し、公表するというRoHS(Restricting of Hazardous Substances)規制を各国とも取り入れ推進しようとしている。

 つまり、世界は次から次へと問題を次世代に積み重ねていく破滅型社会を脱して、クリーンでかつ持続可能な社会へ移ろうとしている。

 食料についてはどうであろうか。
 最近、世界人口は70億人を超えたと報道された。2050年には90億人以上になると言われている。世界の飢餓人口は現時点で約10億人。増大する人口に水、食料を供給し、エネルギーを確保し、そして、可能な限り飢餓人口を減らしていく。そんなことはできるのか。それができなければ、持続可能社会とは言えない。

 エネルギーに関しては、上記のように不十分とは言え、世界中でいろんな新エネルギー改革が進められているが、食料については、対策が進んでいるとは思えない。もっと考察対策が必要なのではなかろうか。世界食料会議では、大きな問題となっており、「どの国も食料輸入に頼るべきではない、あてにすべきではない。各国ともに食料自給率の向上に努めるべき」となっているとのことである。ネオ植民地主義と揶揄される中国・韓国の食料確保政策はひどいとしても、日本はあまりに楽観、無策である。

 食料対策として、極端なことを言えば、砂漠を緑化し、雲を呼び、水を降らせる。そして穀物を作る。今後の世界人口増に対応するためには、それほどの思い切った対策を不退転の覚悟で推進する必要があると考えられる。

 実際に、セネガルからジブチまでアフリカ大陸を横断するように植林して、砂漠の南下を防止する「緑の壁」プロジェクト(2007年~)が進められている。ケニアでは、マータイ女史が、グリーンベルト運動(1977年~)を行い、現在までに3000万本の植林を行っている。中国では、「緑の長城」プロジェクト(2000年~)が推進中で、「退耕還林(耕作地を林地に戻す)」運動による植林も行われている。とはいえ、砂漠の緑化は、厳しいものがあり、長期戦という。

 砂漠の緑化は厳しいとしても、世界には森林の木材を全て伐採し、放っておいただけでは元にもどらない山地が広大にある。これらを水源林として回復し、水源を確保した上で、周辺に耕作地を増やし、穀物生産を増やして行く必要があるのではなかろうか。各国とも自然を回復し、穀物生産を増やし、自給率の向上を図って行くべきである。食料自給率を高める事ができた国は、食料を輸出するより、ノウハウ・技術を提供し、各国の食料自給率向上を促すようにすれば、今後の世界人口増にも耐えられのではなかろうか。ちなみに世界人口は100億人に達するまでに飽和すると言われている。 

 今後の連載予定。
4.新旧社会の対比でみる各国の動き、日本の動き
5.次世代社会の先取り=東日本復興ビジョン

2011年5月25日水曜日

東日本復興ビジョン案に向けて(2)


2.危機的状態にある世界・人類文明

前回はここ

 大震災から離れて世界に目を向けてみる。かなり、相当に、きな臭い。ソマリアやアフガニスタンなどの崩壊国家の続出、イスラム原理主義によるテロ活動の頻発、中東諸国の政変、スーダンやジンバブエなどの継続的な内戦などなど数え上げればきりが無い。世界は不安定になっている。これらの裏には食糧不足があると言われている。エネルギーも紛争の種である。イラク戦争の裏に石油有り、グルジア紛争の裏に石油有り、尖閣列島もしかり。水を巡る紛争も世界各地で散発している。

 そもそも人類は、文明発祥以来、自然を破壊し続けてきており、ここ百年では化石燃料を多量に消費してきた。地球は悲鳴を上げたのか、怒り出したのか、ここ数十年で目に見えて、地球は温暖化し、人類文明に強烈なしっぺ返しを開始している。熱波に、寒波、大洪水に、大旱魃。しっぺ返しは、無差別に行われる。弱いところから倒れる。食糧不足は少しずつ顕在化しつつあり、食物価格は確実に高騰化している。

 温暖化は、植物が実をつける時期と動物が子育てに大量の餌を必要とする時期を狂わせ、ある種の動物を絶滅に追い込む。動植物を絶滅に追い込むのは、温暖化だけではない。ダムは、稚魚に必要な植物プランクトンの流入を阻み、防波堤は海藻を枯らす。除草剤や殺虫剤は、知らず知らずに人類を含む哺乳類の生存に必要なバクテリアや昆虫、小動物まで殺す。化学肥料は、人の体に有害物質を蓄積し、ゆっくりと寿命を縮める。材料や触媒として様々の化学物質が開発され、ある種の化学物質は、生物の生存に必要なオゾン層を破壊する。別の化学物質は、遺伝子さえ損傷させる。石炭・石油などの化石燃料の燃焼は、CO2を排出し、健康に悪い科学物質をまき散らす。車は、昔と比べて大幅に改善されたとは言え、未だに臭いガスを吐きながら走る。

 いずれにしても、人類文明は、特に近代文明は、地球誕生以来、40数億年かけて、自然がつくりあげてきたミラクルの積み重ねである見事なシステムを充分理解することなく、急速に破壊している。未来を犠牲にして、今の快適さを追求している。現在の生物の絶滅スピードは地球史上過去5回起きたといわれているどの生物大量絶滅より早いと言われている。ほとんどの生物学者が、今は、第6次の大量絶滅の時代と捕らえている。自然が、自然システム破壊の元凶である人類文明を本気で潰すべく、大逆襲を開始しているようにみえる。

 人類を取り巻く自然環境は、厳しくなっているが、継続的な人口爆発にブレーキはかかっていない。つい最近、世界人口は70億人を突破した。食糧不足が潜行しているなか、人口は膨張し続けている。さらに、中国・インドでは富裕層が急増、肉食急増。1kigの牛肉は穀物10kgに相当するという。食糧不足の拡大は、間違いなく紛争を増大させる。

 食物不足解消に、遺伝子工学応用の食物が開発されている。遺伝子を操作し、穀物を除草剤に強くすると収穫量をあげることができるという。遺伝子操作すれば、鮭が数倍の大きさに育つという。これらは既に実用化されている。またぞろ、自然を充分理解しないまま、自然を根っこから破壊しようとしている。将来への“つけ”が、また増えている。

今後の連載予定。
3.危機脱出に向けたうねり=次世代社会の模索
4.新旧社会の対比でみる各国の動き、日本の動き
5.次世代社会の先取り=東日本復興ビジョン

2011年5月16日月曜日

東日本復興ビジョン案に向けて(1)


1. 提案をする意義

 東日本の復興はどうするのか。誰もが、新しい街づくりが必要と考える。政府もその方向で動いている。もし、政府が常日頃から、次世代社会についてビジョンを持って、語り、動いていれば、一般市民も復興の方向性に予想がついたであろうが、残念ながら、今の政府に明確な次世代社会のビジョンはない。
 東日本復興計画! 為政者でない、ましてや、行政の立場にもいない、そんな人が考えて何になる。利権に絡まない、既得権益もない人が、純粋に未来を考える。そこに価値があると思う。利権や既得権益にまで、考えが及ばない若い人が真剣に考えれば、もっとすばらしい。たくさんの人が純粋に考えることに大きな意義があると考える。いろんな人が、いろんな立場で、いろんな復興プランを考える。誰かがいいことを言う。それはいい考えだと同調者が増える。それが一気に社会を変えるトリガーになる。現今のネットワーク社会はそのような動きを可能にしている。現実に復興支援をネットで呼びかけ、多くの人が応じる、被災者側もネットで支援要請をして、これにも答えるという事例が既に生じている。もっとも、これだったら皆が絶対賛同してくれるだろうというアイディアが重要であることは言うまでもない。ここで、書くことが、たくさんの人が考える呼び水になればと思う。
 日本人は、お上と下々という意識がしみついて、いまだに、お上のいうことには、黙って従う傾向にある。もう少し言えば、考えもせず、異論もいわず、おとなしく従っていた。しかし、日本のお上はレベルが低い、日本人誰もが感じているだけでなく、世界の常識になりつつある。これでは、先が思いやられる。近隣諸国からもつけいれられる。下々意識を捨てて、普通の人が今後の政治に関心を持って考えていく必要があるのではないかと強く思う。昨今のネット社会は、国民的議論を容易にしている。

 ここでは、今後、以下のように連載していきます。
2.危機的状態にある世界
3.危機脱出に向けたうねり=次世代社会の模索
4.次世代社会とは?
5. 次世代社会の先取り=東日本復興ビジョン